四十六話目 ページ48
「改めまして、伏黒さん、禪院さん。私は宮都といいますぅ。あまり
「真希でいい。私も宮都って呼ぶから」
「よろしくおねがいします」
真希さんと伏黒くんが今回の仕事相手。
もうすでに体幹はしっかりしているように見えるし、体力も、多少心もとないくらいだが基本は問題がなさそうである。
とはいったところで、あくまで自分の見立てであって正しく彼らを見られているとは限らない。
僕はポートマフィア内でも非異能力者へ多少の手ほどきを行うことがあるので、教えることに関しては完全な素人ではない。
普段どおり、質問から始めることにしようか。
「今からいくつか質問をしますぅ。見栄を張らずに、謙遜もせずに答えてください。そうしたら実践訓練うつりますぅ
まず、ノンストップで、全力疾走で、400mトラックは何周走れますか？」
まずは基礎体力の確認。技術は大切だが、体力がないと長時間扱うことはできない。体力、筋力、技術力は確認事項だが、技術力に関しては実践で総合的に図ることしかできない。
「だいたい、1周から1.5周だな」
「私は2から3周」
「人間辞めてますか」
人間が全力疾走できる限界は400mと言われている。
僕は体力に自身がないので1周程度だが、それでも人並み以上だとは認識していた。というか、そのはずだ。
能力値は基本、実践で測るのがいちばん正確だと考えている。しかし、質問を今しているのは、その実践における手の適度な抜き加減を考えるためだ。強いと見込んだ相手がもし弱かったりしたら、誤って怪我をさせてしまう
自分が武器系統では一番強いという自信はないし、むしろ僕より強い相手なんてポートマフィア内ではごろごろいる。
質問はあまりしないで実践に移ろう。
彼らを扱う際、少々武道の心得がある高校生、という扱いは失礼に当たるし、なにより身の危険を感じた。
ふたり相手にしてしまうときついかもしれない。が、大学生とは言え大人の意地もあるのでふたり同時にかかってこいと言わざるを得ないだろう。
「では、これで質問は終わります。実践訓練に移りましょう」
「実践て、輝夜と戦うだけか？」
「はい。私がふたり同時に相手します。一番使わないと判断できる武器を貸していただけますか」
続く (更新停止中)
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