呪術ストレイドッグス (ページ43)

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四十一話目ページ43

……そう考えると泉さんが此の場に居無くて好かったと言うべきか。
それにしても、彼女は入った筈なのに異能力のコントロールが出来て居無かったな。
未だ入った事には成って居無いのか？
となると、仕事が入社試験、と云った所だろうか。

「一度其れを引いて下さい。一人でやります」

「そうか、悪い」

満身創痍の国木田さんは援護も出来無いだろうし。
いや、援護は邪魔だ。
援護が一番しやすいのであろうおれの異能力に援護は要ら無い。
そうで無くたって、正直一人で済む相手だ。
こうなるくらいだったら東京に入った時点でおれに任せて呉れれば良いのに。
面倒事が増える。
うーん、おれからすると彼等、裏社会で探偵社に牙を剥く奴等に良さげな印象付けも出来る。
横浜だと捕まる、東京に逃げたら更に酷い仕打ちが、何て云う風だと上々。
序におれの顔が割れれば叩こうと必ず来る筈。
そういったのは大抵、前科があるから。
其の中に依頼の対象者が居れば軍警に引き渡せば良いだけの話だし。
要は、印象づけできれば良い。
彼には任意で噂を流して貰い、おれの顔が割れればもっと良い。
一度逃さなければならないけれど、また捕まえれば佳いか。
あー、でもなー、減給やだなー。

心の中で二択の葛藤をして居ると、隙有りだとでも思ったのか、攻撃を仕掛ける。

「異能力『時空喰らいと時渡。』喰らえ」

異能力を発動して間の空間を喰らい、弾丸は当たって弾かれる。
訳が解らず、銃を刀に持ち替え、此方に向かって来る。

「修復」

間を修復し、元あった場所を通り抜けて彼はおれの下へと来る。
走っていたので、上手く足を引っ掛ける。
よろけた彼に対し、片腕を掴み拘束する。

「一丁上がりです」

片手を上に上げ、もう片方は背中に回し、背中と手首を一緒に地面へ押し付ける。
駄目押しで上から馬乗りに成って抵抗する術を無くす。
その状態で一息ついてにっこり笑うと、周りの野次馬が拍手をする。

何故此の人達は彼が拳銃を持っていることや不可解な現象に思うところが無いのだろう。
寧ろ、楽しんでいると云うと語弊があるが、アニメ鑑賞でもしている様な。
いや、非日常と触れ合うことを何処かで期待していた、というような目だ。
何なんだ、皆揃いも揃って同じような目をして。
辞めろ、崇める様な目で見るな。
気持ち悪い。
此の状態が広まるのは良くないか。