呪術ストレイドッグス (ページ42)

今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:4,386 hit

四十話目ページ42

適当に社長からの電話を切り、高専を出る。
此処は東京郊外、場所は東京の中心側。
嗚呼、面倒だ。
最近本当に多い。
取り零すなよ、と心の中で悪態をつく。
東京迄領地でも拡大させるつもりなのだろうか。
何なりと。何て言っているけれど、自分に一番適正の有った仕事であっただけであり、また給料も貰える。
そんな合理的な判断で入った探偵社はおれからすると毛程も興味無い。
ボーナス入んねぇかな。
入らないだろうな。
下らないことを考えながら電車に乗り、眠いなんて考えながら目的地まで歩く。

「国木田さん」

「志木か。あっちに追い込むから後を頼めるか」

国木田さんと合流する。
一人で互角、此方も相手もいっぱいいっぱいであり、救援がなければ拘束は難しそうだ。
成程、だから呼ばれたのか。
汎用性も高く、あの中で一番とまでは行かないが、二番目には強い方に入っているであろうおれが。
勿論、おれが東京に居るという点も含めた上で、だろうけれど。

「了解です。お任せ下さい」

「異能力『独歩吟客』鉄線銃(ロープガン)」

さらさらと彼の持っている手帳に何かを書き、紙を手帳から切り離して異能力を発動する。
紙を持っていた手の辺りに光が纏い、手の中には鉄線銃が顕現する。

彼、国木田独歩の異能力である、「独歩吟客」は、彼が持って居る「理想」と書かれた手帳に物を書く事で書いた物が顕現する。
但し、手帳サイズ以下であり、大きい物は顕現出来無い。
極端な例だと、ブラックホールや、象、惑星等は顕現出来無いと云う事だ。
逆を言うと、銃や折りたたみ式のナイフ何かは手帳に収まるサイズなので、小さい武器なら幾らでも出せる訳だが。

顕現した鉄線銃を使用し、おれの救援にどう対処するかを考え、此方の攻撃に一瞬遅れたところを突く。
然し、流石国木田さんと互角に渡り合うだけあり、直ぐに反応して相手の持つ銃を弾くだけだった。
相手はもう一丁手近な所に持っていたようで、新しい武器を取る前に畳み掛ける、何て事は出来無かった。

「救援要ります？」

「悪いが頼む」

「武装探偵社も人手不足か？こんな子供を救援に来させるとはなァ！」

国木田さんに確認を取ると、短く返される。
すると、相手も臨戦体勢を崩さずに此方を煽って来る。

一応会社に務めているし、おれより年齢が下の泉さん、だっけか？
名前は真面には憶えて居無いけれど、彼女はおれより年齢が低い筈だ。