二十四話目 ページ26
十数分経った頃。
こつ、こつと革靴の足音が聞こえてくる。
リーダーが来たか。
「よォ志木。捗ってるか?」
「リーダー。少し早かったですね。見て判りません?今どのくらいの実力かを見てるんですよ。リーダー参加すると流石におれ負けるんで辞めて下さいね……?仕事お疲れ様です」
パンダさんの(ゴリラモードの)攻撃を躱しながらリーダーの方を向き、頭を下げる。
直進的過ぎるから、対呪霊用と云う所か。
人と戦う場合は、動けない様にしてやったほうが良いだろうな。
結界かなんかか、疲弊させるか、油断させるかの三択を上手く使い分けてやれば技術は上がるだろう。
「おう。早めに終わらせろよ」
「疲れたっぽいですね。流石に十数分経つと疲れますか。休憩にしますよー」
リーダーの台詞に、皆を見ると、既に息を切らし、肩で呼吸をして居る。
体力作りも並行してやった方が良いかな。
此れ程度で息を切らすなんて。
「虎杖さん、もう終わりですよ?
其れから、力をもっと込めた方が良いです。そうすれば加速し切る前の拳でも受け止められずに済みますよ」
「ちゃんと教師やってんじゃねェか」
はぁ、と大きめに溜息を吐いて見せ、アドバイスをする。
すると、リーダーがにやりと笑いながらぐしゃりと俺の頭を撫でる。
未だに子供扱いか。
「何でリーダーって呼んでんの?あとだぁれ?その人」
「俺は二人目の体術教師の中原中也だ。宜しくな」
不思議そうに虎杖さんがリーダーに対し、タメで質問をする。
リーダーは、二つ目の質問には答えず、名乗るだけ名乗り、手を差し出す。
「おれは虎杖悠仁ですっ!よろしくおねがいします!」
「おう、よろしくなァ」
差し出された手に握り、がしっ、と握手をする。
うわあ、何か怖い。
「こんぶ」
「どうしたんです?狗巻さん」
「ツナマヨ!」
水分補給を終えたらしい狗巻さんが目の前に手を振って来る。
こんぶ……。
何故に昆布……。と思いながら狗巻さんに応える。
彼が見せてきたスマホには「だいすき」の四文字が見える。
会って初日だけれど懐かれたらしい。
俺なんかしたっけか?
躱して煽った位しか記憶がないけれど……。
「有難う御座います。
そろそろリーダーに教えてもらいますか?体術。因みにおれよりも強いですよ。
集合して下さいな」
休憩もそろそろ終わりにするか、と思い、息を吸って声を張る。
話して居た残りの人達も此方に集まって呉れる。
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