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九話目 ページ11

いや此れは紛い物だろう?
本物なんて疾っくの疾うにこわした筈だけれど……。
紛い物は本物の様に、合理的に、だ。
人間性なんて要らない。

「おれは朝倉志木云います。彼……虎杖さんの従兄弟をやらせて頂いとります。以後お見知り置きを。会うかは知りませんが」

「いい男じゃない。私は真依。禅院真依よ」

「それはどうも。宜しゅうお願いします」

顎に手を添え、嘲笑う。
美い男かは知ら無いが、褒められたのだろう、と思い、頭を下げておく。
下げた頭を上げ、微笑む。
すると、それにしても、と禅院さんが言葉を続ける。

「この虎杖悠仁って呪いなのよ。しかも最近まで死んでた」

「はえー、せやったんですか。無知な自分が恥ずかしいです。其れにしても、死んで居た、何ですね?」

少し笑顔で嘲笑う彼女に当たり障りの無い言葉を返し、不思議に思った事を口にする。

「そうなの。すっごい気持ち悪いでしょ?」

何かを煽る様に言う禅院さん。
言い終わると同時に、prrrrrと電話が来た事を知らせる音がおれのウエストポーチから鳴り響く。
ウエストポーチから携帯を出し、画面を見ると、画面には「福沢社長」の四文字が見える。

元々イヤホンを着けて居た為、画面をタップし、携帯をポケットに仕舞う。
そして電話越しに社長の声を聴く。

“ああ、有給中に済まない。『呪術高専』と云う所に対象者に逃げ込まれてしまってな。追って呉れるか”

「了解です」

“写真はこのあと送る”

一番は謝罪、其れから依頼内容。
逃したのは誰だろうか、どうせ太宰さんだろうな。と考えながら依頼内容を受諾する。
電話が切れると、数秒してメールが届く。
江戸川さんや与謝野女医なら非戦闘員だから、取り逃がすのは有り得るか?
其れにしても、太宰さん、ちゃんと有給の事話して呉れたのか。
いや、話を聞いて居た国木田さんが太宰さんの代わりに話して呉れた、と云う線も有り得るか。
其方の方が有力だ。
まぁ今は仕事に集中だ。

「禅院さん、すみませんが仕事が入ってしまったので。また会うことがあれば続きを話して下さいね。虎杖さんは自分の体を労りましょうね?では」

社交辞令の言葉を投げ掛け、一旦其の場から離れる。
携帯のメールに添付されて居た画像を見る。
見るからに悪人面をした凶悪な顔の男の写真。
追記事項として、異能力者であることが書かれて居た。
異能力者としては、水を操る様だ。
却説、屹度此の人は武装探偵社から逃げられるとでも思っていたのだろう。

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設定タグ:呪術廻戦、腐術廻戦 , 文豪ストレイドッグス , BL   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:のんしゅ | 作者ホームページ:No.  
作成日時:2021年2月23日 22時

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