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殆ど同時刻、家から半刻ほど歩いたところにある老婆の家で、無事手伝いを終えた照と辰哉は、少し早歩きで帰路に着いていた。
暫く他愛もない話をしていた辰哉の口が閉じると、あ、と呟いた照が辰哉に向き直った。
照｢…そーいえばふっか、また
辰｢っあ〜、なんかそれらしい事は寺子屋の先生が言ってたかも。うちの村じゃ未ださほど被害は出てないらしいけど、山ん中のあすこの集落で何人か拐われたって。…それに、怖いのが帰ってきてない、ってとこなんだよなぁ〜…｣
照｢何が目的かは分かんねぇけど、妖って線もぶっちゃけ捨てきれないからな…まぁ俺の方で調べとく。もしうちの村でなんかあっても困るし。｣
随分この村は住み心地が良いようで、すっかり馴染んでしまった照たちを村の人も案外快く受け入れた。辰哉とてそれ程長い付き合い、という訳でもないが、存外優しいところのある此の鬼は、きっと顰められた眉と目の奥で策を立てているのだろう。辰哉は黙って頷いた。
少なくとも、村に不穏な空気が流れるのは辰哉も辛いので、明日もう少しだけ先生やおばちゃん達に聞いてみよう、と密かに決めていた辰哉は、ふっと気がついて口を開く。
辰｢ラウに聞いてみる？寺子屋で話聞いてるかもだし、行動範囲広いし。何かしら情報出てくるかも。｣
照｢…確かに。帰ったら聞くか…あ、なんか買ってくりゃ良かったな｣
辰｢帰ったらなんかおやつ作るよ。流石に街の方ではやってるクレヱプみたいなのは無理だけど。｣
照｢あれ西洋の食べもんだろ、毒されすぎ…って、あ？なんか今家の方に人影見えなかったか？｣
辰｢え？…俺目悪いからなぁ…でも、翔太たち帰ってきたのかもよ？｣
照｢ならいいけど。…ラウール待たせてるから、早く帰ってやんないとな。｣
辰｢そーだねぇ…流石にそろそろ暇してるだろうし。｣
打てば響くように帰ってくる返答に、会話を続けていた二人の足が、家の扉の前で止まる。
辰哉の指が、扉にかけられ、ゆっくりと引かれた。
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あゆ(プロフ) - 定期的に読み直しさせて頂いてるのですが、めめこじが好きなので橙玉ト虚空ノ暗黒の続きも楽しみにしています！無理のない範囲でいつか更新して下さったら嬉しいです。 (2021年10月23日 11時) (
レス) @page14 id: 6ef3ec4d5d (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - あゆさん» あゆさん、コメントありがとうございます！読み返して頂けるだけでもありがたいのに、定期的になんて…作者冥利につきます！これからもどうぞよろしくお願いします！ (2021年10月8日 7時) (レス) id: bc0aa38375 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - ユウさん» ユウさん、コメントありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです…！ゆっくりですが、楽しみにしていただけるのなら頑張りますね！ (2021年10月8日 7時) (レス) id: bc0aa38375 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - 千夜さん» 千夜さん、コメントありがとうございます！待ってていただけたなんて嬉しい限りです…！少しずつですが更新するので、よろしくお願いします！ (2021年10月8日 7時) (レス) id: bc0aa38375 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - 定期的に読み返していたので更新嬉しいです！一気にでも1話ずつでも、無理のないペースでの更新お待ちしております〜！ (2021年10月8日 1時) (レス) @page15 id: 6ef3ec4d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉月 | 作成日時：2021年3月7日 9時
