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たらりと垂れた血を舌で掬いあげると、照は軽く目を閉じる。その唇が言葉を紡ぐと、取り巻くように風がたった。
照「…善神たる荒々しき鬼神よ、我が身に宿りその力を示せ。『
ふわり、と空気を孕んで膨らんだ袖の先、大きな掌に大振りな太刀が収まる。変化したその姿を見て、天狗は妖しげに口角を上げる。
天狗「…ほう、成程。」
先陣を切り、変化して現れた照を見るや、佐久間も天狗の前に飛び出して言葉を早口に唱える。
佐「照にばっかりいいとこ取られてたまるかよっ！闇を喰らいし猫又よ、その爪を持って愚かなる者を斬り裂け！『
ぽふり、と些か可愛らしい音を立てて霧に隠れた佐久間の頭からにょきり、と猫耳が顔を出す。二又に別れた尻尾が見えた頃にはすっかり霧も晴れ、臨戦態勢の佐久間が低く構えてにやりと笑った。
照「佐久間、」
佐「にししっ、分かってるって！ちゃんと照の分も取っとくから！」
照「分かってんならいいや。行くぞ、」
辰「……っ？！」
ラウ「？たつや、にぃ？」
軽やかに地面を蹴った二人を見て、何故かぞくり、と原因不明の悪寒を覚えた辰哉は、思わず腕にすっぽりと治まってしまうラウールの小さな体躯を抱きしめた。
妖の知識なんて、ろくに持っちゃいないけれど、天狗、という妖が途轍もなく強いことだけははっきりとわかる。
妖の気配なんてさして分からない辰哉ですらこうなのだ、天狗が持っている力は一体
対戦相手が同じ妖なら尚のこと、手加減なぞしてくるはずも無い。
幾ら名の知れている強い妖が七人(八人)いるとはいえ、これに勝てる未来が辰哉には想像できなかった。
辰「っ、ねぇ、亮平っ！」
助けた方がいいのでは、と後ろに佇んでいた亮平を振り返ると、心中を見透かされたかのように微笑まれる。
亮「大丈夫、照も佐久間も強いから。…でも、万が一も考えて…援護しますか。」
蓮「りょーかい。担当は"いつも通り"で良い？」
亮「うん。俺は『上から』、状況みて援護するから。」
辰「??え、何の話？」
訳が分からない、と言わんばかりに首を傾げた辰哉に、やけに頭の回る親友は目を赤くして笑いかける。
亮「何、って…勝つための作戦に、決まってるでしょ？」
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莉月(プロフ) - 優さん» こちらこそリクエストありがとうございました！楽しんでいただけていたら幸いです。これからもよろしくお願いします！ (2021年1月27日 7時) (
レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - お話書いて頂きありがとうございました！これからもお話楽しみにしています！ (2021年1月26日 21時) (レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - リクエストはここで締め切らせていただきます！リクエストしていただいた皆様、ありがとうございました！お話になるまで、少々お待ちください。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - さのちゃんさん» 最後の一枠なので大丈夫ですよー！リクエストありがとうございます。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
さのちゃん(プロフ) - まだリクエスト大丈夫でしょうか？橙くんが怪我して敵に捕まって黒くんがすごく怒るお話を読みたいです。よろしくお願いします！ (2021年1月5日 21時) (レス) id: f84afddcf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉月 | 作成日時：2020年5月30日 12時
