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辰｢『天狗攫い』？それが村で起こってるの？｣
翔｢まだ決まった訳じゃ無いけどな。｣
亮｢裏山の天狗ね…もう居ないとばっかり思ってたけど、又悪さしてるんだ？｣
涼｢分かんないけど、それが濃厚だと思う。…どうする？行ってみる？｣
辰｢子供が攫われてるなら助けたいけど…俺ほんとに何も出来ないよ？｣
照｢大丈夫、ふっかにしか出来ないこともあるし。｣
亮｢そうそう！護符を作ることとかね。作り方教えるから、作ってみる？｣
がやがやと騒がしくなる辺りの声に、眠っていたラウールの目が薄らと開く。ぼんやりと見回していた小さな丸い瞳が、突然暗い紅色に染まった。
辰｢ラウおはよ…って、ラウ？｣
妙な気配に気が付いた辰哉が声をかけるが、ぼんやりとした瞳に光が宿らないことに気づき顔色を変える。そのまま立ち上がり、扉へ向かおうとする小さな体躯に慌てて抱きつくと、有り得ないくらい強い力で振り払われた。
辰｢ちょっ、ラウ？！ほんとにどうしたの？！｣
佐｢！もしかして！…照！ラウのこと止めて！｣
照｢言われなくても！…?!なんでこんな力…っ、それに、この妖気って…！｣
亮｢ラウールごめんね…風魔切りっ！｣
突然吹いた風をもろに受けたラウールの身体が揺れ、ふらりと倒れる。照の腕に受け止められたラウールは、暫くして目を開け、きょろきょろと辺りを見回していた。
ラウ｢…あ！たつやにぃ、おかえり！｣
光が宿ったその目が辰哉を捉えて照の腕から抜け出すと、しゃがみ込んだ辰哉に抱きつく。背中を撫でていた辰哉は、妖達に向き直ると眉を寄せた。
辰｢…今のって、真逆、その『天狗攫い』？｣
照｢みたいだな…完全に自我を乗っ取られてた…阿部がいなかったらきっとそのまま家出てたと思う。｣
翔｢こんな感じ、なんだな…なんかもっとこう、違うのを想像してた。｣
蓮｢…兎も角、早い内に退治しないとやばそうだね。あんな調子じゃ、きっと他の子達にも被害広がりそうだし。｣
そう言って立ち上がった蓮の背中で、康二も頷く。次々と立ち上がる妖達に倣うように、辰哉もラウールを抱いたまま立ち上がった。
辰｢…行こう、天狗退治。村の子達を助けなきゃ。｣
佐｢よっしゃぁ！となると、目指すは…あの山だね？｣
扉を開けた先、聳え立つ新緑の山を、全員黙って見上げていた。
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莉月(プロフ) - 優さん» こちらこそリクエストありがとうございました！楽しんでいただけていたら幸いです。これからもよろしくお願いします！ (2021年1月27日 7時) (
レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - お話書いて頂きありがとうございました！これからもお話楽しみにしています！ (2021年1月26日 21時) (レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - リクエストはここで締め切らせていただきます！リクエストしていただいた皆様、ありがとうございました！お話になるまで、少々お待ちください。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - さのちゃんさん» 最後の一枠なので大丈夫ですよー！リクエストありがとうございます。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
さのちゃん(プロフ) - まだリクエスト大丈夫でしょうか？橙くんが怪我して敵に捕まって黒くんがすごく怒るお話を読みたいです。よろしくお願いします！ (2021年1月5日 21時) (レス) id: f84afddcf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉月 | 作成日時：2020年5月30日 12時
