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｢萬屋、って…あの、都とかでやってる何でも屋の事？噂じゃ西洋かぶれの探偵遊戯みたいな物だって聞いたけど…｣
｢んー、間違っては無い。村で起きたことが妖関連なら俺らで解決できるし、若しかしたら今の均衡が崩れたこの状況を変えられるかもしれない、って事。｣
真剣な色を湛えた亮平の目を見て、辰哉の菫色が小さく見開かれた。と、肩にずしり、と重みを感じる。首だけ横を向くと、ニヤリと笑う照の顔が存外近くにあり、思わず小さな驚きの声が漏れた。
｢っひゃっ？！｣
｢良いじゃん、萬屋。村の平穏も保てるし､何か有っても俺らで護るしさ。な？辰哉。｣
他の面々もうんうん、と頷く。未だに目黒に抑えられた(抱き抱えられた)ままの康二だけが小さく嫌や！と藻掻くが、細い割に存外力が強い目黒の腕はそう簡単に外れないらしい。
辰哉が眼を逸らすと、小さなくりっ、とした丸い目が此方を見上げていた。首を傾げて見上げるその目には、無邪気な色が反射して光る。
｢？ラウ？どうした？｣
｢ぼくがそれ手伝ったら、たつや兄ぃはたすかる？｣
｢？…まぁ、助かるけど…？｣
｢ぼくやる！よろずやさん！｣
｢っえ？｣
片手を元気よく上げて、無邪気に告げるラウールに、辰哉は再び疑問符を返す。
｢ぼくががんばれば、たつや兄ぃたすかるんでしょ？ぼく役にたちたいもん！｣
｢っはぁぁぁぁぁ…可愛い…無邪気…この子何なの…神の使いか何か…？否、最早罪だよこの可愛さは…｣
｢あ、辰哉壊れた(笑)｣
ラウールの小さな体躯に縋り付くようにしゃがみ込んだ辰哉を見て、佐久間がげらげらと笑う。涼太がすかさず、といった風に辰哉に問いかけた。
｢ラウールはこう言ってるけど…どう？辰哉はやるの？｣
｢…あーもう！やる！やります！村の為、そして可愛いうちの子の為に！｣
すっく、と立ち上がって叫んだ辰哉に、パラパラと拍手がおきる。すると、後ろであ、と目黒の声が上がった。
｢翔太くん寝てる…。｣
｢え？…って、それ俺の家の布団じゃんか！何で?!｣
八人が話していた後ろ、ぽっかりと空いたスペースに響く寝息。辰哉の家の布団を被って眠る翔太に佐久間が飛びかかると、ふかふかだー！と叫ぶ。
｢ふかふか…そうだ！辰哉､って呼びづらいから､今日から渾名ふっかね！決定！｣
｢は？何勝手に､！｣
｢ふっか､呼びやすくていいじゃん！｣
｢だからって…｣
騒ぐ声が、とうに更けた夜の空に響いて、闇に蠢く何かがぐるり､と目を光らせた。
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莉月(プロフ) - 優さん» こちらこそリクエストありがとうございました！楽しんでいただけていたら幸いです。これからもよろしくお願いします！ (2021年1月27日 7時) (
レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - お話書いて頂きありがとうございました！これからもお話楽しみにしています！ (2021年1月26日 21時) (レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - リクエストはここで締め切らせていただきます！リクエストしていただいた皆様、ありがとうございました！お話になるまで、少々お待ちください。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - さのちゃんさん» 最後の一枠なので大丈夫ですよー！リクエストありがとうございます。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
さのちゃん(プロフ) - まだリクエスト大丈夫でしょうか？橙くんが怪我して敵に捕まって黒くんがすごく怒るお話を読みたいです。よろしくお願いします！ (2021年1月5日 21時) (レス) id: f84afddcf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉月 | 作成日時：2020年5月30日 12時
