検索窓
今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:768 hit

6話 ムラサキケマン ページ6

増えた痣と傷だらけ体を引っ張り、誰もいないであろう。
屋上前の小さな空間の隅に座って、傷の手当をする。
何故か保健室の先生は何もしてはくれない。
嫌がらせをされていると知り、逆に関わりにならないよう
保健室から、追い出すようになってしまった。だから、
こうやって、一人で治療をしている。

『…っ。』

消毒をするから 受けた傷がさらに痛くなる。
治す2回目の痛さがやってきた。
一回目の痛さは、辛いだけなのに、どうして、
二回目の痛さは、苦しいんだろう?

『痛い、いたい、いたいなぁ。』

ほろりと、溢れてきた"涙"。感情なんていらないものは、
心の奥底にしまい込んだはずなのに。なんで、溢れているのかと
不思議でならない。だって家でも休まる場所なんてなかったのに

『…うぅ…。』

なんで?私、こんな目に会わないと行けないんだろ…
痛いの。体のどこも痛くないのにいたいよ。助け…いや、
…私が、我慢すればいい。全部。なら、
ここに長居をしてはなんて居られな…
キイッと屋上に続く扉が開いた。瞬間響くふわりとした声。

cn「…あれ?Aちゃん?」

『コンさん…。』

涙のせいで、鼻声だった。けれど、返事を返せたことに
安堵した。私の涙は、誰も心配されないから。見てきたから
他の子は心配されているのに、私は心配をされたことないから
返事をするだけでいい…はず…大丈夫 いつも通り。

cn「…Aちゃん。膝枕してあげる!」

『いえ、そんなご迷惑かける訳には行きません。』

cn「Aちゃん!迷惑だったらそもそもとして言わないよ〜
いいから、後輩は先輩に甘えてなさぁい!」

と言われ、頭が、コンさんの膝の上に乗る。

cn「授業1時間くらい、休んじゃお!」

私は、今日だけ寒い不安な枕じゃなく、
暖かい安心できる枕で初めて寝ることができた。
なんでだろ…布団なんてかけてないのに…家の寝床より数倍

『暖かい。』

cn「えへへー。良かったぁ…。」

いつの間にか眠気に襲われ、私は眠っていた。


コンタミside

…あの傷の量は明らかに異常。
やっぱり、Aちゃんは俺と似てる。家も荒れていたし、
家庭でも学校でもおそらく居場所なんてないのだろう。
目を見ればわかる。希望も、絶望何もかもを押し殺したような目
少しでも俺が助けになれたなら…いいなぁ。
過去のことを思い返すと正直今でも怖い…
けど今は昔とは違うと信じて今日を生きるしかない
あの日とは違うと違うんだと信じないと

生きることが怖くなるから。

7話 バーベナ(紫)→←5話 ダリア =二日目=



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みりん生姜 - こんな所に神作が落ちてる…昇天しないと…(使命感)無理せず更新頑張って下さいね!応援してます! (2021年11月12日 21時) (レス) id: 5e45ecb9ba (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆる | 作成日時:2021年11月12日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。