真夜中の帰り道 ページ18
一郎くんに今帰るとメッセージを送ったのはもう何十分も前で俺は知らない道をさまよっていた。
バイトを終え、制服を着替えた俺は一郎くんに今帰るとメッセージを送る。一瞬で返ってくる返信を確認して帰路につく。
俺が歩くのに合わせてコツコツとなる足音。俺が止まれば足音も止み、歩き出せばまたコツ、コツと静かな住宅街に音が響く。そうして俺は家の前までたどり着いた。しかし俺は家に帰ることなく通りすぎる。足音は今も変わることのない距離で響いている。コツコツと足音のする靴なんてどんなものがあるだろうか。ハイヒール、紳士靴、少なくとも俺が履いてるスニーカーは違うだろう。
そう、これは俺の足音ではないのだ。
コンビニを出てすぐに誰かが俺の後ろを歩いているのは気づいていた。怪しく思い立ち止まってみたり小走りしてみたりしていたが家の前につくまでストーカーされてる確信が持てなかった。角を曲がる時に気づかれないようにこっそり覗いて見るとスーツに革靴を履いた男だった。危害を加えようとする気配はなく、しかし家の前までついてこられてしまいこのまま玄関を開ければ住所を特定されてしまうためとりあえず通りすぎた。そうして歩いているうちに俺は知らない町まで歩きついていた。
家に帰るわけにもいかないしどこで一夜を明かそうか。スマホがなり連絡がきたことに気づく。メッセージが100件以上もきており、確認するまでもなくその全てが一郎くんからのものだと分かる。
「もしもし。」
「A！無事か？今どこにいるんだ！」
スマホからは一郎くんの焦った声が聞こえる。
「無事だよ。ちょっと色々あって家に帰れないから連絡しようと思って。」
「は？なに言ってる、こんな夜中に連絡もなく帰って来なかったら心配するだろう！」
「うん、ごめん。」
今まで一郎くんとは喧嘩をしたこともなかったので一郎くんの怒った声を向けられるのは初めてだった。しかしそれは俺を心配しているからこそのものだとしっかりわかっていた。
「なんで帰って来ないんだ。」
実は、と俺は家に帰らなかった理由を説明する。一郎くんは俺が話している間ただ静かに耳を傾けていた。
「…迎えにいく。人通りの多いところで待ってろ。」
「…うん、わかった。」
一郎くんの手を煩わせることは躊躇ったが一郎くんの有無を言わせない気迫を感じ素直に一郎くんの申し出に甘えることにした。
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リエル(プロフ) - 終わり…!？終わりになってる!？ (2018年12月27日 23時) (
レス) id: 4f0744403a (このIDを非表示/違反報告)
黒武(プロフ) - 主は弟くんも触れられないのかな…？一郎くんとの差別に傷付いている主くんがいてもおもしろいと思います。他キャラの出会いも楽しみにしてます。続き待ってます。 (2018年11月5日 2時) (レス) id: f0ec619330 (このIDを非表示/違反報告)
瑠威神(プロフ) - 一兄！！カッコよすぎる。。更新待ってます！ (2018年10月19日 19時) (レス) id: a94da70a54 (このIDを非表示/違反報告)
ゲイムオーバー(プロフ) - すごい私の誕生日も7月26日に (2018年8月21日 19時) (レス) id: e40dfd6764 (このIDを非表示/違反報告)
粟之助 - めちゃめちゃすきです………………… (2018年8月16日 9時) (レス) id: bc9f12e237 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年8月2日 16時
