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「えっと…涼太さん…?は、どうやってコックさんになりましたか」
「んふっ(笑)そうだね、高校を卒業したあと、専門学校というところで一年間お料理の勉強をして、それからレストランで働き始めました」
「ありがとう、ございます」
「んふふっ、固いなぁ(笑)」
だってなんか、インタビューって緊張しちゃうんだもん。
涼にぃが連れてきてくれたここは、コックさんたちの休憩場所なんだって。
椅子を片付けて俺たちの場所を作って慣れたように腰を下ろす涼にぃは、一緒にサッカーボールを蹴ってくれる兄ちゃんには見えなくて、まだ変な感じ。
「えっとぉ、コックさんになったのはなんでですか?」
「んー……そうだねぇ。じゃあ、蓮くんは自分がやったことで兄弟が喜んでくれて、嬉しいなと思うことはありますか?」
「えっ」
逆に質問されるなんて、聞いてない!
思わず両隣を見ると、それぞれ康二とまいと目が合う。
突然の展開にびっくりしちゃったけど……、俺が嬉しいなぁって思うのは、
「サッカーかなぁ…」
点を決められたときに、兄ちゃんたちが自分のことのように喜んでくれるのが好き。
レギュラーに選ばれなかったとき、一緒になって悔しがって練習に付き合ってくれたのも本当に嬉しくて、頑張ろうって思った。
そうやって答えると、涼にぃはにっこり笑ってくれた。
「俺にとってはそれが、料理だったんだよ。みんなが美味しいねって笑ってくれるのが好きだから、もっともっといろんな人を笑顔にしたいなって思ってコックさんになりました」
「…!」
いつもおいしく食べてくれてありがとね、って涼にぃが言うから、みんなで一所懸命うなずいて、「それは涼にぃのご飯がおいしいからだよ」って伝える。
びっくりしたように目を丸めた涼にぃがすぐに嬉しそうに笑って、照れたように頭をかいた。
コック姿の涼にぃの写真も撮れたし、インタビューも完璧。
最後に涼にぃが夜ご飯を振る舞ってくれて、職場見学はおしまい!
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s - このお話が大好きなのですがまたこのお話を再開する予定はありますでしょうか?先ほども言ったようにこのお話が大好きなのでまた書いてくださったらいいなと思いコメントをさせていただきました。ご検討のほどよろしくお願いします (9月13日 22時) (レス) @page29 id: 3bb6fa2af0 (このIDを非表示/違反報告)
森乃(プロフ) - Cyamuさん» (続) 読み手の皆様に想像しながら楽しんでいただけたらいいな、と想っております。わかりにくさはこちらの力不足ですね…💦検討してみます! (2022年1月8日 13時) (レス) id: 1f323a239b (このIDを非表示/違反報告)
森乃(プロフ) - Cyamuさん» お読みいただきありがとうございます🙇♀️本作ではお話の途中で誰視点かは確実にわかるような構成を心がけており(名乗らせる、兄弟の名前を呼ばせるなど)あえて視点先を書かないことで、 (2022年1月8日 13時) (レス) id: 1f323a239b (このIDを非表示/違反報告)
Cyamu(プロフ) - 作品に口を挟む形になって申し訳ないのですが、誰seedか付けていただけると誰目線なのか分かりやすくなると思います💦凄いいい作品で表現が素敵なだけに誰目線か分かるとより感情を寄せる事ができるかなとちょっともったいなく思ってしまいました。 (2022年1月8日 13時) (レス) @page38 id: 6e8ef04be9 (このIDを非表示/違反報告)
森乃(プロフ) - あさかさん» あさか様、以前にもコメントをくださったんですね…!いつもお付き合い頂き本当にありがとうございます🙇♀️ (2021年12月19日 21時) (レス) id: 1f323a239b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:森乃 | 作成日時:2021年12月2日 22時