一輪のアスフォデルを (ページ19)

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story　１７ページ19

クィレル｢す、す、すすすみません、ロディアーナ先生...｣

クィレルは慌ててズレたターバンを直そうと立ち上がる。

ロディアーナ｢お、お怪我はありませんか？｣

神経質なクィレルに、どう接したらいいのか、ロディアーナは戸惑った。

クィレル｢申し訳ありません、急いでいるのに、ぶ、ぶつかってしまって...｣

クィレルは汗びしょりであった。

何をそんなに焦っているのかが疑問である。

セブルス｢ロディアーナ｣

ロディアーナは、いつの間にかクィレルの後ろにいるセブルスに視線を向けた。

セブルス｢遅い、何をしておる？｣

ロディアーナ｢ごめんなさい、アクシデントがあって｣

ロディアーナはクィレルに会釈をすると、その場をすぐに去った。

セブルス｢今日は災難だ。まるで昔の貴様を見ているようであった｣

ロディアーナ｢そんな、私だって一生懸命やっていたのよ！ネビルだって...それに貴方は減点ばかりだったじゃない｣

セブルス｢失敗、無礼な態度、減点する以外他はないだろう。それに貴様、努力は実らなければ話にならん｣

ロディアーナはその言葉にムスッとした。

ロディアーナ｢ならセブルスはどうしていつも私とペアを組みたがったのよ？終わるたびにシリウスから心配されたんだからね｣

セブルス｢...それは、...｣

セブルスは言葉を飲み込んだ。

言ってもいいのか、一瞬迷った。

セブルス(一生懸命やっている姿が素敵だったなど、そんなことは言えない)

ロディアーナ｢からかうためだったのね｣

ロディアーナはあからさまに残念そうな顔をした。

セブルスは、慌てて｢違う！｣と訂正する。

｢じゃあなんなのよ？｣とロディアーナはセブルスの顔を見た。

セブルスは誤解を解くためには言うべきだと思ったが、口に出すことをためらった。

そのまま眉間を寄せていると、ロディアーナがプッと吹き出す。

ロディアーナ｢分かった、分かったわ。ごめんなさい、分かってた。開心術使ったの、ごめんなさい、でも嬉しいわ｣

セブルスは、苦虫を潰したような顔をした。

ロディアーナの笑いが、一層増した。