第二十九篇 行こう ページ29
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織田は目を開けた。
身体を起こすと、見渡す限り黒い空間だった。
「……此処は……?」
『織田作、来るの早すぎだよ』
「……っ!!」
ずっと聞きたかった声。
織田が振り向くと、其処には微笑んだ徳富が立っていた。
「蘆花っ……!!」
『……さよならも云わずに死んじゃってごめん』
「………俺も、済まなかった。俺はもう人を殺めないという信念を、呆気なく破った」
織田が俯く。
徳富は困った様に笑うと、下を見て云った。
『私ね、時々ポートマフィアに入った事は本当に正しかったのか不安に駆られてたの。医者って、命を救う代わりに救えない命を間近で見るからさ、其れを見ても淡々と仕事を続ける自分が怖くて怖くて……でもね、一つだけ善い事があったんだ。……あのバーで三人に出会えた事。一緒に笑い合い乍らお酒を飲めた事』
そして織田の手を取る。
『ほら、行こう。私達は太宰と安吾の事を地獄で待ってなきゃ』
「……!」
『彼奴等、何だかんだ云って中々死ななそうだから大分長い間待つ事になるだろうけど』
「……フッ……そうだな」
二人は闇の中を歩き出した。
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こめこめコメダ(プロフ) - てかみそさん» 仕方ねぇ続けるべ☆いぇい☆ (2022年12月22日 14時) (レス) id: b8ad08ce24 (このIDを非表示/違反報告)
てかみそ - こめこめコメダさん» 辞めたら………いやなんもしないけどほら。私はさ。プリ小説やってるし?私の思いもこめさんに継いでもらうって決めてたし((((((((殴 (2022年12月22日 14時) (レス) id: ca294d51e0 (このIDを非表示/違反報告)
こめこめコメダ(プロフ) - てかみそさん» うぅ〜……私も最近占ツクしんどくなってきたし辞めちゃおっかな… (2022年12月21日 3時) (レス) id: 3c5b67e3ca (このIDを非表示/違反報告)
てかみそ - こめこめコメダさん» まじだよ (2022年12月20日 18時) (レス) id: ca294d51e0 (このIDを非表示/違反報告)
こめこめコメダ(プロフ) - てかみそさん» マジかよ…… (2022年12月20日 11時) (レス) id: b8ad08ce24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こめこめコメダ | 作成日時:2022年11月5日 19時