第十一篇 鼠 ページ11
·
「んっ、か、辛い〜〜」
『私にも一口頂戴』
「本当に辛いよ？はい、」
『………おっ、美味しいっ、ね……』
「だから云ったでしょ。顔真っ赤だよ」
太宰から受け取った水をがぶ飲みする徳富。
飲み干してから、太宰に云った。
『そう云えば例の件、如何だった？』
「結論から云うと、彼らは海外の異能犯罪組織だった」
織田が太宰をちらりと見遣る。
「英国の異能機関……時計塔の従騎士に追われ、欧州から這這の体で逃げて来たらしい」
『ヨコハマに先立ってる人が居るって事ね』
「……だが一つ引っ掛かる事がある」
織田が怪訝そうに呟く。
徳富はコップに水を注ぎながら織田をじっと見つめた。
「兵の練度が高すぎるって云うんだろ？」
「嗚呼」
「彼等は軍人崩れだよ。情報によると組織の頭目は、強力な異能力で歴戦の部下達を統一しているらしい」
『強力な異能力ねぇ……』
「首領はこの件の事を知ってるのか？」
「報告したよ。そうしたら対ミミックの作戦立案と前線指揮を仰せつかった」
『うわ、ドンマイ』
「早速幾つか罠を仕掛けておいた」
『異能特務課はやってくれないんだね。まあそっか、表向きでは存在しない組織だもの』
「安吾については……」
「武器庫の暗証番号は──安吾によってもたらされた物だとほぼ確定した」
『っ……！』
太宰は少し俯いていて表情が見えない。
織田が云った。
「安吾は組織を裏切ったのか？」
『………』
「そう考えると全ての辻褄は合う」
その時、太宰の電話が鳴った。
釦を押し、電話に出る。
「……了解した」
其れだけ云うと、電話を切った太宰。
『なんて？』
「……鼠が罠に掛かった」
太宰はにやりと黒い笑顔で微笑んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 46人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こめこめコメダ(プロフ) - てかみそさん» 仕方ねぇ続けるべ☆いぇい☆ (2022年12月22日 14時) (
レス) id: b8ad08ce24 (このIDを非表示/違反報告)
てかみそ - こめこめコメダさん» 辞めたら………いやなんもしないけどほら。私はさ。プリ小説やってるし？私の思いもこめさんに継いでもらうって決めてたし((((((((殴 (2022年12月22日 14時) (レス) id: ca294d51e0 (このIDを非表示/違反報告)
こめこめコメダ(プロフ) - てかみそさん» うぅ〜……私も最近占ツクしんどくなってきたし辞めちゃおっかな… (2022年12月21日 3時) (レス) id: 3c5b67e3ca (このIDを非表示/違反報告)
てかみそ - こめこめコメダさん» まじだよ (2022年12月20日 18時) (レス) id: ca294d51e0 (このIDを非表示/違反報告)
こめこめコメダ(プロフ) - てかみそさん» マジかよ…… (2022年12月20日 11時) (レス) id: b8ad08ce24 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こめこめコメダ | 作成日時：2022年11月5日 19時
