★第81話★ 道標 ページ19
ーー会津 塩川 旧幕府軍陣営ーー
歳三:「仙台へ退くだと!?」
大鳥:「あぁ。会津が落ちるのは時間の問題だ。榎本さんを中心に旧幕府軍も江戸を脱出し、海路を北上しているらしい。
我々も仙台へ退き、再起を図る以外に道は無いと思う。」
歳三:「それは会津を見捨てろって事か...!?」
大鳥:「...容保公の御意向だ。」
歳三:「なんだと!?」
大鳥:「ただし、容保公はこの会津藩にて最後の一兵になるまで戦い抜くそうだ。」
一:「......。」
歳三:「ならば俺達もその武士の気概に応えて共に戦うべきじゃねぇのか?」
大鳥:「容保公は会津藩と命運を共にする決心をされた。
僕達は、その武士の誇りと気概を引き継ぎ再起をかける。」
歳三:「だが会津は新選組にとって恩義がある───」
大鳥:「これは総督の命令だ。」
歳三:「───っ」
ギリッと土方は、唇を噛み締めた。
大鳥:「土方君。今は太極を見るべきだ...分かってくれ。」
そういうと大鳥は席から立ち...
大鳥:「では、速やかに撤退準備をお願いします。」
と言い、その場を去ったのだった...。
歳三:「...なんてこった...」
土方は拳を強く握り締め...
歳:「これじゃ近藤さんの時の二の舞じゃねぇか...!!」
千鶴:「......」
その時...
一:「俺が残ります。」
斎藤のその声に、その場に居た全員が斎藤に目線を向けた。
一:「最後まで武士らしくあろうとするこの藩に、俺は微衷を尽くしたい。...土方さん達は、仙台へ行って下さい。」
歳三:「......」
山南:「仙台へ撤退するなら、私が先行しましょう。仙台は、私の故郷で伝手があります。内情を探るには適任でしょう。」
歳三:「羅刹は先行部隊には向かねぇよ。昼間に移動できねぇんだからな。」
山南:「多少の無理をしても動きますよ。後手に回るよりはマシです。」
歳三:「......。
...仕方ねぇ...分かった......。」
山南:「“善は急げ”と申しますからね...では。」
そして山南は、暗闇に姿を消した...。
平助:「...俺も山南さんと一緒に行く。あの人から目を離すのは少し不安だしな。」
歳三:「頼む。」
島田:「自分は撤退準備を。」
千鶴:「島田さん、私も手伝います。」
と、陣の中に残ったのは土方と斎藤のみとなった...。
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にゃお(プロフ) - 完結おめでとうございます!遅くなってすいません…… とても面白かったです!番外編で、夢主ちゃんが人質にされ、大怪我をおって総司が心配するというお話が見たいです!!シリアス大好き人間なので笑笑 よろしくお願いしますー! (2019年3月30日 22時) (レス) id: 90cfe03e70 (このIDを非表示/違反報告)
弓 桜(プロフ) - 総ちゃんさん» コメント、有難うございます!!この光のシリーズでは、番外編が既に作られています。もし、「こんなのがあったらなぁ」と言うのがございましたら、コメント欄にお願いします!! (2016年11月12日 16時) (レス) id: 85b919e22e (このIDを非表示/違反報告)
総ちゃん - 何度読み返しても感動しますね。番外編なんてあったら素敵(笑) (2016年11月12日 14時) (レス) id: 725f51c669 (このIDを非表示/違反報告)
弓 桜(プロフ) - 志羽(しゆう)さん» こんばんは(*^▽^*)ノ初めまして!!そこまで言って下さりありがとう御座います!!いえいえ、私なんてまだまだ未熟者です。この占ツクには私よりも文才力に長けた人ばかりです。ですが、本当にありがとう御座いますm(*_ _)m (2016年10月7日 0時) (レス) id: 85b919e22e (このIDを非表示/違反報告)
志羽(しゆう)(プロフ) - すごくすごく感動しましたっっっ!!! 小説書くの凄く上手ですねっ!!! 私が今までで読んだ小説のなかで、一番上手で、一番おもしろくて、一番感動した小説でした!!!! (2016年10月6日 20時) (レス) id: 86837d8b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:弓 桜 | 作者ホームページ:http://hakuoukiyumizakuraMakoto&shinsengumi
作成日時:2016年4月10日 2時