悪足掻きは身を滅ぼす2 ページ40
体制を立て直すと、今度はAが攻勢に出た。
左足で踏み出し、ナワーブの側面に周りながら脇腹目掛けて素早く右フックを繰り出す。
ナワーブは屈んで躱した勢いのまま右足で足払いを仕掛けるが、Aは大きめのバックステップで躱す。
距離をとると見せかけて、右足を軸に半回転して後ろ回し蹴りをお見舞いした。
「あっぶね！」
並大抵の者なら完璧に不意を突かれて顔面に一撃食らっているだろうが、そこは幾度と死線をくぐってきたナワーブだ。
右前腕でいなして勢いを殺した足の膝裏を掴む。
そして前方に踏み出してAの右足に身体の内側から自身の左足を差し込み、そのまま軸足を刈った。
「!!っしまっーーーうっわぁ!」
両足が宙に浮いてバランスを崩したAは、自分の足を掴むナワーブ諸共背中側に倒れ込んだ。
「おい、大丈ー「っ隙あり!」
「うおっ!?」
ナワーブが背中に手を添えたため
頭は打たなかっただろうが、衝撃はあったはずだ。
倒れたAを気遣い声をかけたが、返事より早く彼の喉元に2本の腕が伸びる。
「ったく、油断も隙もねぇな…」
襟締めを試みたのであろう手をすんでのところで掴んで阻止してやれやれと溜息を付けば、手首を掴まれた本人は悔しそうにナワーブを睨めつけた。
「まだ勝負は、ついてない！」
「相変わらず往生際が悪ぃな…で、まだ粘るのか？」
「くっ…うう」
負けを認めたがらないAに、駄目押しとばかりに掴んだ手首を片手でまとめ上げ、もう片方の手を手刀の形にして首に添える。
暗に「実戦ならお前の命はないぞ」と示せば、手首の拘束を解こうともがくのを辞め、ようやく大人しくなった。
「降参、するか？」
「…分かったよ。降参……なんてしない!!」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 411人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「第五人格」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ドクモ(プロフ) - リクエストでーす！ ツンデレ黒無常さんが素直になるまで焦らしたい願望です！ (2019年5月21日 2時) (
レス) id: 763783cfb5 (このIDを非表示/違反報告)
MH改め蓬莱(プロフ) - 林檎饅頭さん» 林檎饅頭さん、リクエストありがとうございます！折角リクいただいた所大変申し訳ありませんが、今執筆スピードの都合でリクを締め切らせていただいております… 今後再開出来そうでしたら、その時に書かせていただきますね！ (2019年4月7日 0時) (レス) id: a0dc3dcbfc (このIDを非表示/違反報告)
林檎饅頭 - リクエストなんですけど友情で風邪をひいたヴィオレッタちゃんに看病する感じの物語を作って欲しいです。 (2019年4月6日 1時) (レス) id: 19ec5be348 (このIDを非表示/違反報告)
MH改め蓬莱(プロフ) - 夜月レナさん» コメントありがとうございます！上手いこと彼の魅力を出しつつ、甘く出来てるか不安だったのでそう言っていただけて本当に嬉しいです(´ω｀*) (2019年3月23日 14時) (レス) id: a0dc3dcbfc (このIDを非表示/違反報告)
夜月レナ(プロフ) - ｯ...(尊死)。泥棒めっちゃ可愛いっす。最高な作品をありがとうございます...!!なぜ星ボタンが一度しか押せないのか... (2019年3月23日 1時) (レス) id: 0d570b7f47 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蓬莱 | 作成日時：2019年2月18日 23時
