目隠しの向こう側 (占い師) ページ2
「ねぇ、イライ。その目隠し、外してみてくれないか？」
この頃、暇な時にイライの部屋に来ては梟と戯れるのが日課になっているAが呟いた。
「随分急だね。」
この目隠しはなにかと見え過ぎる眼に制限をかけるために着けている。
今いる部屋の壁面には視覚上のノイズを遮断する装飾を施しているため、外しても問題はない。
なにより、恐らく意識的に他人の内面に深く踏み込まないようにしている彼女が、自発的に歩み寄って来てくれたことが少なからず嬉しかった。
「……いいよ。」
ベッドに腰掛けていたAの正面に椅子を移動し、向かい合うように座り直す。
「えっ、本当!?」
あまりにあっさり承諾されたからか、驚愕と期待が交じる声を上げた。
イライはフードを後ろに下げ、後頭部の結び目に手をかける。
「お、おおっー！」
自分の一挙手一投足に注視し、珍しくテンションの高い彼女。
「おおっー…お？」
しゅる、っと衣掠れの音とともにとうとう外されたそれは、そのままAの目前に迫り……Aの後頭部できゅっと結ばれた。
「はい、外したよ」
予想通りの呆けた反応にイライが笑みを零せば、
「ち、違う！そうじゃなくて！」
これまた予想通りに抗議するA。
「イライの目隠しを外した顔を見てみたいって意味で…むっ!?」
目隠しをされ、じたばたしながら抗議を続ける彼女の唇にむにっと指を押し当てて静止する。
「やっぱりまた今度。これからも遊びに来てくれるならいずれまた、ね。」
Aになら素顔を見せてしまってもよかったのだが、少し意地悪をしてみたくなった。
僕に興味を持ち始めた彼女に、もっと僕を知って欲しい。
そうしていつか彼女の柔らかい唇を、指ではなく唇で塞げる関係になれればいい。
「わかった、じゃあこれからも通わないとだ…次は誤魔化されないからね？」
どうやら僕の目論見は上手くいったようだ。
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ドクモ(プロフ) - リクエストでーす！ ツンデレ黒無常さんが素直になるまで焦らしたい願望です！ (2019年5月21日 2時) (
レス) id: 763783cfb5 (このIDを非表示/違反報告)
MH改め蓬莱(プロフ) - 林檎饅頭さん» 林檎饅頭さん、リクエストありがとうございます！折角リクいただいた所大変申し訳ありませんが、今執筆スピードの都合でリクを締め切らせていただいております… 今後再開出来そうでしたら、その時に書かせていただきますね！ (2019年4月7日 0時) (レス) id: a0dc3dcbfc (このIDを非表示/違反報告)
林檎饅頭 - リクエストなんですけど友情で風邪をひいたヴィオレッタちゃんに看病する感じの物語を作って欲しいです。 (2019年4月6日 1時) (レス) id: 19ec5be348 (このIDを非表示/違反報告)
MH改め蓬莱(プロフ) - 夜月レナさん» コメントありがとうございます！上手いこと彼の魅力を出しつつ、甘く出来てるか不安だったのでそう言っていただけて本当に嬉しいです(´ω｀*) (2019年3月23日 14時) (レス) id: a0dc3dcbfc (このIDを非表示/違反報告)
夜月レナ(プロフ) - ｯ...(尊死)。泥棒めっちゃ可愛いっす。最高な作品をありがとうございます...!!なぜ星ボタンが一度しか押せないのか... (2019年3月23日 1時) (レス) id: 0d570b7f47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蓬莱 | 作成日時：2019年2月18日 23時
