弐話。 ページ4
無事に大妖を狩り終わった。
額から汗が吹き出している。
片手には綺麗な桃色の瓶が握られている。
片手に着けている時計から時刻を見ると午後2時頃。
学校に戻るのもいいが面倒臭そうになりそうだ。
すると、叢の方から物音が聞こえてきた。
碧は唸り声を上げ威嚇している。
それを制止しながら見詰めていると、出てきたのは着物を着た奴らだ。
恐らく同業者であろう。
「おお、ここの大妖を君が封じたのか！」
「素晴らしい。お嬢さんお名前は？」
利用するつもりだろうか？
そいつは名前を聞いてきた。
此方も使えるものはとことん使わないと。
口角を上げ名乗る。
『宮ノ園一門が次期当主。宮ノ園Aと申します。必要とあらば何時でもお手伝い致します。』
男達は感嘆を漏らした。
「ああ。彼処のお嬢さんでしたか。」
「通りで……」
名前を呼ぶ。
『碧。』
その虎は更に大きくなった。
「それでは私共はこれにて。これからは、どうぞよしなに。」
一礼して碧に乗り空高く飛び上がる。
「あれが宮ノ園一門のじゃじゃ馬か……」
俺は彼女の二つ名を呟いた。
「随分と綺麗なお嬢様だったことよ。」
隣にいた仲間も茫然としている。
「それにしても、祓い屋大家数家が同時に攻めても祓えなかったあの、大妖をあんなお嬢さんが……。」
その場にある惨状を見回す。
「封じ方が随分と荒っぽいことだな。」
その森の中は気が何本も斬られており見るに堪えない状態であった。
「しかし。矢張り彼女にも驚くな。あれ程の妖力を持っており、神格の妖と契約している。あれ程の妖を使役している奴を私は見たことは無いぞ。」
相方がそういった。
妖祓いにたけた彼がそういうのだから間違いはないだろう。
「あの子が頭首になったら宮ノ園家も、安泰するだろうな。嘸かし羨ましい。そういえば今の宮ノ園家の頭首はどちらで？」
俺はボソリと呟いた。
「お前知らないのか。今頭首は居ないぞ。」
相方はそう言った。
「どういうことだ。」
「今は先代の旦那と息子達が宮ノ園家をたてている。彼処は特殊な家でな女と宮ノ園家の血縁でなければ頭首になれんのだ。」
「ほぉ。じゃあ彼女の母親がなれば良いでは無いか。」
相方は俺の方をじっと見つめてきた。
そういうことか。
映すことができなかったか、俺達にとって逃れられないものか……
俺は最後に呟いた。
「凄いことよの……。」
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あまね(プロフ) - はちゃめちゃに好きです！ (1月1日 6時) (
レス) @page20 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - お返事大変遅くなり申し訳ないです！私の私生活が忙しいばかりにお待たせしてしまいなんと言ったらいいか…。そんな言ってくださるとこちらのモチベーションにも繋がります。素敵なコメントありがとうございました！ (2021年3月5日 20時) (レス) id: 227a7aceaf (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - リーカさん» お返事大変遅くなり申し訳ないです！更新頻度もかなり下がりましたが愛読していただけると幸いです。 (2021年3月5日 20時) (レス) id: 227a7aceaf (このIDを非表示/違反報告)
シオン - この作品は、更新されていないのですが。作者さんは、もうこの作品は、書かないのでしょうか？できれば、また書いてほしいです！そしたら、絶対読みます。 (2021年1月19日 20時) (レス) id: 5d193de02d (このIDを非表示/違反報告)
シオン - 初めまして、私は、シオンといいます。とても素晴らしい作品だと思います。 (2021年1月19日 20時) (レス) id: 5d193de02d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまね | 作成日時：2020年3月27日 3時
