紫の王子さまとお姫さま【stxxx】

仲直り ページ14

口で謝るというのも悪くはないと思ったけれど、私はコンビニに行ってなーくんの好きなものを買うことにした。

チョコと生クリームのクレープの隣に、いちごのクレープが置いてある。
なーくん、いちご好きだし、これがいいかな……。


するとすぐ近くで、カサカサと音が聞こえた。

近くの人が、私も大好きなベイクトチーズケーキをとっている。


近くの人の顔を見ようとすると……。


「なーくん！？」


思わず声が出ちゃった。
そう、ベイクトチーズケーキをとっていたのは、なーくんだったのだ。


な「A……」


なーくんも、紫色の瞳を大きく開かせている。


「私、これ買うためにレジ行くね」


な「ああ、俺も買うのこれだけだから」


私となーくんは、レジでお会計を済ませた。


_____


「な、なーくん。け、今朝はごめんなさい！」


私は家に入った途端に、ガバッと頭を下げた。


「寝坊した私が悪いのに、八つ当たりしてひどいこと言ったりして……。ごめんなさい！ これ……ほんのお詫びに……」


私はお会計を済ませたばかりのクレープを、なーくんに渡した。


な「え……俺のために？ 考えるの同じだね。実はこれも、Aに……」


えっ、私が悪いのになーくんは私にベイクトチーズケーキ買ってくれたの？

本当に考えることが、同じだな。


そう思い、私となーくんはその場で声を立てて笑った。


「じゃあ、今日頑張ったご褒美として一緒に食べちゃおうか！」


そう言った後、なーくんは仲直りの印ということでチーズケーキとクレープをそれぞれ半分こして食べた。

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