深夜 ページ7
今は午前2時を指している。
一睡もしていないけれど、寝られない。
Aがいつも寝ているベッドを見ても、そこにはもちろんAの姿はなかった。
『もう、お兄ちゃんとは暮らせません』
涙声だった。
はっきりしているのは、Aは本心を言っていない。
『ごめんなさい!』
Aは優しい子やから、『嫌』ということができなかったんだろう。
暮らしていた期間が短くても、俺はもうAの優しいところをたくさん見ていたんだから。
あれは、言わされているに違いない。
そう思った瞬間に俺は心の中で、カチッという点火の音を立てて怒りの炎を燃やした。
いつの間にか、バケツをひっくり返したような雨が、窓や地面にぶつけてざあざあと音を立てている。
いくら雨が降っても、俺の心の火は消えない。
高く大きく、怒りの炎は燃え上がる。
Aに言わせた奴ら、出てこい。
明らかに勝てるような相手にしか、傷つけることができひんのか?
お前にとって、Aがどういう存在なのかは分からへん。
やけど、Aは俺の大事な妹。
はよ返せ……。
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ゆめな(プロフ) - シュロさん» ありがとうございます!ジェルくん素敵な方ですもんね! (2022年7月13日 21時) (レス) id: b3b8a8904b (このIDを非表示/違反報告)
シュロ - とても素敵なお話でした。私もジェル君推しです。 (2022年7月12日 22時) (レス) @page28 id: 4ae74feae9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめな(プロフ) - suzutoさん» こちらこそ、このお話を見つけてくださり、ありがとうございました! (2021年9月24日 7時) (レス) id: b3b8a8904b (このIDを非表示/違反報告)
suzuto(プロフ) - 完結おめでとうございます!素敵な作品をありがとうございました!おもしろかったです! (2021年9月24日 6時) (レス) @page28 id: ddb8e2bb60 (このIDを非表示/違反報告)
白い化け狐 - こちらこそよろしくお願いします! (2021年8月30日 23時) (レス) id: 665b9a4be9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆめな | 作成日時:2021年8月29日 17時