第二十一話 ページ22
楽しい…！
楽しい…
楽しい…でも、こんなに楽しい空間なのに、私は相変わらず旦那の事が頭から離れられない
今、何しているんだろう…私の事心配で探してくれているのだろうか、ご飯食べれているのかな…？
…それとも、私の事なんか忘れて普通に生活してるのかな…？
「…」
ブルック「…Aさん」
「うわぁ！！？？…な、なんだ…ブルックさんか…」
後ろからヌルッと登場して目の前に現れたのは骸骨のお化け…じゃなくてブルックさんだった
ブルック「お元気がないように見えたものでねェ…心配してたんですよ」
…しまったな、私また顔に出してしまったかな…
「あ、すみません、辛気臭い顔してましたか…？でも私は元気ですよ！ちょっと酔ったくらいで」
ブルック「そうですか？」
「あ、私ちょっと外の空気吸ってリフレッシュしてきますね！」
そう言って私は、誤魔化すかのように外に逃げた
ブルック「…お酒、全然減ってないですよ」
ｰｰｰｰｰｰｰ
「はぁ…余計なことばっかり考えてダメだなぁ…」
みんなは好意で優しくしてくれてるのに私は何もみんなにお返しできてない、本当、自分は出来損ないだなあ…
ロー様には泣かされたとはいえ、結局助けてくれた事実には変わりないからお礼言いたかったのに…自分の部屋に行ってしまったらしいし…
「なにも上手くいかないなぁ…山賊に襲われるし、怪我するし…ほんとに…帰りたい…」
帰って、直哉くんの為にご飯作って…お風呂入って…一緒の布団入って…そんな毎日に戻りたいだけなのに
「…私が一体…何をしたって言うの…」
ダメだ、ここに来てから泣いてばかりだ…また涙が出てくる
「…A」
「！！！！！直哉くん…！？」
「A…迎えに来たよ、さぁ帰ろ」
「直哉くん、どこにいるの！！？？」
「ここだよ」
私は、夢を見てるのかな…？
船の先頭に、直哉くんが見える
「ここだよA…おいで、愛してる」
「私も…！会いたかったよ！！」
私は、愛する直哉くんめがけて一直線に走る
無我夢中で、何も考えられなかった
…そう、本当に何も考えていなかったのだ
「…え」
抱きつこうとした次の瞬間、直哉くんは砂のように儚く消えてしまった
幻を追いかけようとして、私は船から身を乗り出してしまった
「あ、ぁ…！！」
落ちる…！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：(´・ω・｀) | 作成日時：2022年9月6日 17時
