第十七話 ページ18
「すみません、取り乱してしまって」
どれくらい時間が経ったのかは分からないが、辺りは真っ暗ですっかり夜になっていた
ロー「……いや、俺も悪かった」
「え、いや……ロー様は何も悪くないですよ…実際弱い私が悪いですし……」
傷心に自ら塩を塗る発言をして、勝手にへこむ私
そして、苦虫を噛み潰したような顔をするロー様
お互い見られたくない所を見られてしまった様で、また沈黙が続く
ロー「……とりあえず、帰るぞ」
「と、行ってもここはどこなんですか……？」
ロー「はぁ……俺が先に行くから着いてこい」
「は、はぁ……面目ないです」
先陣を切るロー様に置いていかれないよう追いかける
ルフィくん達には心配と迷惑をかけちゃったな、なんて思いながら歩みを進めた
「わっ」
……進みたかったが、ロー様が貸してくれた上着が大きすぎて転んでしまったに訂正で。
私、さっきから醜態晒しているだけな気がする、ここの世界来てからいい所ひとつもないんだけど
ロー「なにしているんだ」
「すみません……やっぱり上着脱ぎます、返します……」
ロー「……はぁ」
「えっ！？」
ヒョイっと言わんばかりにあっさりと私はお姫様抱っこされてしまった
ロー「騒ぐな、置いてくぞ」
「は、はい……」
状況がイマイチ掴めないけど、騒ぐなって言われたので大人しくしなきゃ……
「……」
ロー「……」
気まずい……！！
「あの、重たいですよ私」
ロー「普通ぐらいだ」
「そ、そうですか…でも私みたいな好きな女の子でもないのに良いんですか…」
ロー「こっちの方が早かったからだ」
「……あの」
ロー「静かにしていろ」
「はい……」
気を使って喋ろうとしたらうるさいって言われてしまった
凛々しくて、隈の濃い顔がこっちを睨んでくる
また怒らせちゃった…置いていかれるかもしれないって思ってギュッと袖を掴んだけど、ロー様の力は強くて、凄く安心感があった
緊張の糸が切れて眠たくなってきた…力が入らない
「すみません…なんか…眠くなって…」
ロー「……好きにしろ」
警戒されていると思ったけど、思ったより距離近くになれたってことで、良いのかな……？
そんな事を考えていると、だんだん意識が遠のいていき、私は眠りについた
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作者名：(´・ω・｀) | 作成日時：2022年9月6日 17時
