【太宰治】.隣.の.寝.台.の.あ.の.子.【文豪ストレイドックス】

十二頁目... ページ17

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次の日。



太宰が窓から入る眩しい光に気付き、大きな伸びをし乍体を起こすと、其処には熱心にノートに何かを書き込んでいるAの姿なあった。
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太｢何書いてるの？｣

気になった太宰が、Aに話し掛ける。



すると其れに気付いたAが、やっと我に帰った様な表情をし乍答えた。

貴『嗚呼、太宰さん。お早う御座います。』

太｢随分熱心に書き込んでる見たいだけど...其れ、何？｣
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Aはフフッ、と可愛らしく笑い、昨日には見せなかった顔になった。


貴『昨日の夜、太宰さんが云ってくれたでしょう？
二人でやりたかった事をやろうって。

なので、"やりたい事リスト"を作ってるんです！』
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そう云うと、Aは自身のノートを太宰へと向けた。
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太｢へぇ...面白いねぇ。
遊園地に行って見たい、クレープを食べてみたい、太
宰さんの仲間に会って見たい、友達を作りたい、また
写真を撮りに行きたい...どれも良い物ばかりだね。｣

貴『はい！昨日の夜からずっと考えてたんです。
やりたい事は沢山有るけど、藪から棒に実行するの
もな、と思って...

そうしたら、考え過ぎて、何度も目が覚めてしまい
ました！ﾌﾌｯ』
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再度、Aは可愛らしく微笑む。
まるで一輪の花の様に。妖精の様に。

其れを見ている太宰は、胸が幸せでいっぱいだった。
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太｢また写真を撮りに行きたい...って、書いてあるけど、昔も撮ってたの？｣

貴『えぇ、まぁ。
本当は絵も描いてたんですよ？
自然の絵とか、人物画とか、自分の想像の絵とか。
写真も、趣味で結構撮ってたんです。

そうしたら両親が、私に内緒で私名義でコンクール
に出してて、いつの間にか賞を取ってて、いつの間に
か写真集とか、画集迄出てて。
其の事を知った時は、本当に心臓が止まるかと...』

太｢え、写真集と画集、出してるの！？｣

貴『はい、まぁ。"如月 臨"と云う芸名で。』

太｢凄いなぁ...ねぇ、退院したら、買って持って来ても良
いかい？｣

貴『え？』
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其の発言を聴いて、Aは目を丸くした。

貴『私のお見舞い...来てくれるんですか？』

と、聴いた。



太｢そんなの...当たり前でしょう？｣



其の言葉を聴くと、Aは顔を逸らしてしまった。

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