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不安ト焦リ ページ9

No side_____...
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太「A!!A!!!」
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探偵社に太宰の声が虚しく響く。


今の太宰の様子は普通では無い。
何せ、何時も飄々として掴み所の無い、あの太宰がこんなにも声を荒らげ、一人の少女_____Aに向かって只只叫んでいるのだから。
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与「一寸!!太宰一回どきな!!!其の子を医務室迄運ぶから!!!」

探偵社専属医・与謝野晶子が太宰の肩を掴み乍叫ぶ。



然し、太宰には与謝野の声が聞こえて居ないのか、太宰がAから離れる気配は一向に無い。
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与「ッッ...太宰!!!好い加減にしな!!」

痺れを切らした与謝野が、太宰の肩を思い切り叩く。
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与「...え?」
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与謝野...否、与謝野を含めた、探偵社に居る者全てが、呆気に取られて固まった。
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何故なら__________あの太宰が、目に今にも零れ落ちそうな程の雫を溜め、とても、切なそうな顔をしたからだ。
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太「......すみません。Aを、お願いします。」

少し沈黙した後、落ち着いたのかAから距離を取り、Aを医務室に運ぶ様促す。
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与「...嗚呼。賢治!!此の子を医務室迄運んでくれ無いかい!?」

賢「分かりました!!!」
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頼もしい与謝野の返事と共に、大勢の社員が社内を右往左往する。

賢治に運ばれて行くAを、太宰は只見詰めるしか無かった。
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__________in 医務室__________
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与「軽い過呼吸と意識喪失だね。其処迄酷いもンじゃあ無いから、きっと起きたら良くなってるよ。」

Aの事に付いて書き連ねられたカルテを手にし乍、白衣を身に付けた与謝野が語る。



与「...まァ、何時目を覚ますか分からないし、私も仕事が山程あるから、アンタは此処に居な。太宰。」

太「...すみません。有難う御座います。与謝野女医。」




医務室に置かれたソファに腰を掛け、暗い顔をしている太宰に声を掛ける。

与謝野が医務室から出て行くと、太宰はソファからAの寝ている寝台の近くにある椅子に腰掛けた。
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太「__________A......」
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寝ている少女の頬を撫で乍、青年が思い出していたのは
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遠い日の、淡く歪んだ思い出の事だった。

遠イ記憶→←混ザリ合ウ感情



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輪廻(プロフ) - 三斗さん» 長い間待たせてしまってすみません!亀更新でも待っててくれる人が居るとモチベが上がります...✨これからも応援、よろしくお願いします🙇‍♀️ (5月27日 21時) (レス) id: 6cfce3c49c (このIDを非表示/違反報告)
三斗(プロフ) - 更新再開待ってましたー! (5月27日 21時) (レス) id: a2f9d1197a (このIDを非表示/違反報告)
輪廻(プロフ) - 七巳流さん» 有難う御座います!!織田作がお兄ちゃんだったら、絶対良いな〜と思い...✨✨ (2022年7月21日 18時) (レス) id: 6cfce3c49c (このIDを非表示/違反報告)
七巳流 - 織田作之助の妹、いい設定だね😊 (2022年7月21日 15時) (レス) @page3 id: a773157b74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:輪廻 | 作成日時:2022年7月15日 22時

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