糸師凛はマネの犬

わん29 ページ31

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『……凛ちゃん、睨んじゃだめだよ』


「……………………………」


『………なんかごめん』








「……いや」





目の前で困ったように笑っているのは、イケメンこと玲王くんである



遡ること、１分前








「お、A。またそいつの介護かよ」


『介護って…せめてお世話にしといて笑』


「…………」






こんな風に通りすがりの玲王くんと挨拶をしていた






『あれ、愛しの凪くんはどうしたの？』


「……語弊のある言い方やめろよ……てか、俺と話してるのに凪の名前出すのやめろ」


『はいはい、イケメンだよ』





玲王くんのメンヘラはいつも通りだからスルーしといて、適当にイケメンだと褒めれば玲王くんの機嫌は直るのだ






「…………………………は？」


「…なんだよ」






そう思って軽はずみな行動に出た私をぶん殴りたい



完全に2人は戦闘態勢になってしまったのだ







『ごめんって、凛ちゃんもイケメンだよ』


「………………」


『……聞いちゃいない……』







これは困った




凛ちゃんだけなら扱い慣れてるし、大丈夫なんだけど、この2人が合わさるのは……デンジャー







「……Aがかっこいいと思ってんのは俺だけだ。勘違いすんな」


『凛ちゃんもうやめよ………………サッカー練習しようね』


「あ？何言ってんだてめぇ。俺だけに決まってんだろ」


『………………………………』





正直、どっちでもいい




いや、それは違うな









『まあ…その…、どっちも、かっこいいし……』


「えっ」


「……」









『…ちょ、何？！！何で2人とも真顔で見てくるの？！ふ、2人ともかっこいいって…言ってるんだけど………？』



「………………………………………………」



「………………………………………………」














「「(俺のA、可愛いな)」」







寒気が…


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