〜為す術なんて〜＊楓＊ ページ6
いつの間にか自分の頬には涙が伝っていて
手紙には大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちる。
真珠のような輝きを持つ涙は何者かの指によって
拭い取られ、Aはその人物を見上げる。
「...ごめんね、横からコッソリ手紙見てたんだ。
昨日デートした酒呑ハルヤくん
病気治りそうにないんだね。」
涙を拭った人物は野坂で、Aは野坂を見つめたまま
目を細め、瞳を更に揺るがせて口元を歪めた。
『嫌だ......やだぁ......！
死ぬなんて、やだっ...！』
自分の制服の袖で涙を拭うAは
目が腫れてしまうということを忘れ
気にせず嗚咽の声を漏らして泣きじゃくる。
「......Aは本当に優しいね。
ハルヤくんに嫉妬してしまいそうだよ。」
野坂はAの腕を引き寄せ、自分の胸に
Aの顔を埋めさせ「ここなら誰にも泣いてる顔見られないよ」と言って
Aの背中をゆっくりとポンポン叩いた。
『う......うぁぁあああああああああん！！』
大きな泣き声をあげたため、クラス中の生徒が
Aの方へ注目している。
「見ろよ、穂村が泣いてるぞー」と冷やかす声も聞こえたが
野坂がそんな発言をする人物に向かって
鋭く睨み付けたため、冷やかす人物はいなくなった。
＊
『＿＿＿＿＿＿もし死んじゃったら、なんて
言わないでって言ったのになぁ...』
今は午前中の授業が終わって屋上で仲良しの友達・樋口(ひぐち)多軌(たき)と一緒に
お昼ご飯を食べているA。
「急に泣き出したときはビックリしたよ〜
...でも、酒呑くんが死ぬかもなんて、ね...
私、小学校同じだったけど、あんまり彼のこと知らなかったなぁ。」
多軌はお弁当の口に頬張りながら
Aを横目に口を開く。一方Aは何も食べる気になれず
お弁当箱の蓋すら開けていない状態。
『...そっか。
病気でこれない日も多かったって言ってたし...
そうだよね。...でも、知り合いが死んじゃうとなると辛いね。』
朝に全ての涙を流しきったためか
涙は全然出らずに、眉尻が悲しそうに下がっているだけで
Aは呆然としている。
「...お弁当食べないと、体壊すよ？
きっと野坂くんだって心配してるだろうし...」
『ううん。朝から食欲がないんだ。
気にしないで、お腹が空いたらたゃんと食べるから。』
「...そ？」
Aが笑って返事をするものだから
多軌も笑って返事を返すしかなく、そのまま昼休みは
刻々と過ぎていった。
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神月 - ゆくるさん» 愛知………愛知もいいと思いますよ! (2019年3月15日 7時) (
レス) id: 941209d91a (このIDを非表示/違反報告)
ゆくる(プロフ) - 神月さん» 愛知です！この先の市とかは流石に言えないですが、東京いいなー！です。でんでんはすごいですからねー！ (2019年3月15日 4時) (レス) id: 65c6a6a18f (このIDを非表示/違反報告)
神月 - ん、……東京じゃないんですか?てっきり東京に住んでるのかと思ってました……あ、あと 小説見ました！！やっぱり面白いです (2019年3月11日 16時) (レス) id: 941209d91a (このIDを非表示/違反報告)
ゆくる(プロフ) - 神月さん» ははは（笑）東京に行ってなりたいなーとおもってます！ (2019年3月11日 16時) (レス) id: 65c6a6a18f (このIDを非表示/違反報告)
神月 - ゆくるさん» パティシエ！なるほど……もし、夢がかなったら食べに行きます! (2019年3月10日 9時) (レス) id: 941209d91a (このIDを非表示/違反報告)
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