前を向けなかった白無常の話 2 ページ37
……そんな、ある日のことだった。
久しぶりの青空の下、私は彼女に呼び出された。
指示された場所は海に最も近い場所。そして私と彼女が初めて出会った海辺。
私がその場所へ行く頃には彼女はすでにそこにいた。白い白いその姿と、
明確な理由はなかった。けれど足は動かなかった。
そうこうしているうちに、海の方を見つめていた彼女は私に気がついて声を掛けた。
その時初めて、私は足を動かすことができた。
不思議な話だ。あれだけ一歩を踏み出せなかったのに、彼女に話しかけられただけで足が動くようになるなんて。
彼女に歩み寄った。
この数年で私は大きくなった。
出会った頃は同じくらいだった身長はすでに彼女を置き去りにしていて、彼女よりずっと遠くを見つめることができるようになった。
彼女の隣に立った。
いつだって変わることのない
周りは大変なことになってるにも関わらずただ静かにそこにある海に憤りをぶつけることもあった。…でも、この広大な海に立ち向かうには、私はちっぽけだった。
………だから、きっと。あれは罰だったのだ。
その時彼女と話した事は覚えていない。取り止めのない話だったような気がするし、将来についての話だったような気もする。…ただ、彼女が笑顔だった事は覚えている。
その日はそのまま彼女と別れて、自分が口にできなかった言葉を繰り返し呟いた。
それから数日間は私も彼女も忙しく、またあの日の青空が嘘のように天候が荒れ続けた。
……いつしか、彼女を町や海で見かける事もなくなった。
私はそれを、いつもの事だ。と片付けた。……数日経ったら、きっとまた目に入るようになると。
ある日から天候は安定するようになった。
またある日から彼女は消えて声すら思い出せなくなった。
またある日に彼女の家を見に行った。長く人が住んでいなかったようにぼろぼろだった。
彼女の笑顔が思い出せなくなった。………あの、太陽のような、笑顔、が。………思い出せないのだ。
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結城@ハスター教信者(プロフ) - 初コメ？失礼します！監視者の話泣ける・・・うぉぉこれから監視者の事どう見ればいいんだ！！こんな悲しい監視者の日記見ると監視者を植えれない泣き監視者・・・今まですまんかった！いつも面白く見てます！コメント失礼しました。 (2020年5月19日 17時) (
レス) id: f70674c364 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ(プロフ) - とても好きです尊みがしゅごい…これからも楽しみに待っています！ (2019年10月3日 0時) (レス) id: 23ad3e01ef (このIDを非表示/違反報告)
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