私の姉はお医者さんPart68

声3 ページ4

みなみside



反射的とはいえ少しでも由紀の声を聞けたことは嬉しいし、
1歩前進ってことで喜ばしい気持ちもある。



み 「 由紀が、由紀自身の内情で喋れなくなってる。
声を出せなくなってる。ってことは覚えてて？」



由 「 ・・・・・・(ｺｸ､､､)」



み 「 誰も由紀を責めてないし、
由紀が声を失えなんて思ってないから安心して。(微笑み)」



由 「 ・・・・・・・」



み 「 だって優子が､､､って思うかもしれないけど、
優子を含めてみんな由紀の全てが大好きだし愛してるし、
由紀の喋りと声が大好きだからね。(微笑み)」



由 「 ・・・・・・・」



み 「 みんな由紀の声が聞きたいし、
由紀には思ったことを何でも言って貰いたい。
遠慮も気も遣わないで我慢もしないで欲しい。」



みんなが由紀の声を待っていること。
由紀の発言を誰も責めていないこと。
由紀に責任を感じて貰いたくない・・・



み 「 人には発言の自由があって表現の自由がある。
それは由紀も一緒で、由紀にも平等にある権利。」



由 「 ・・・」



み 「 それを由紀の意思で由紀の思いで、
無くしてしまってるのはつまらないし悲しい事だよね。」



由 「 ・・・」



み 「 由紀はお喋りも話すのも好きでしょ？」



由 「 ・・・っ､､､っ・・・(け、ど､､､)」



み 「 優子を含めてみんな由紀と喋るのが好きだし、
由紀の思いとか気持ちを肌で感じたいって思ってる。
だからどんな言葉でもどんな話でも言ってくれたら､､､
言ってくれるだけで嬉しいしいつも感謝してるんだよ。」



何を言われたってどうされたってそれが今の由紀の本心。
その意思を伝えてくれるのは暴言であればある程、
自分を信頼して心を開いてくれてるからこその台詞。
よく優子が言ってた。優子は誰よりも由紀を知っている。



み 「 由紀。優子に何でも言えるのは、
ああやって言えたのは、なんで？」



由 「 ・・・っ､､､ぇ・・・」



み 「 なんでだと思う？(微笑み)」



由 「 っ・・・っ､､､ぁっ・・・(それは､､､)」



み 「 優子の事が嫌いだから？
悪口を言えば自分を嫌って消えてくれると思ったから？」



由 「 ・・・・・(ふるふるっ､､､)」



み 「 じゃあ・・・なんで？」



由 「 ・・・」



み 「 信頼してるから。じゃ、ないの？」



由 「 ・・・っ､､､(汗)」



好きだから。信用してるから。
何言ったってこの人なら大丈夫。って思うから。そうでしょ？

小児病室→←声2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す