第２９話 ページ33
『いづみん』
次に、私はいづみんの名前を呼んでしっかりと目を見る。
『私ね、いづみんに嘘ついたんだ。
“電話しなきゃ”って、“親御さん心配する”って言ってくれたときあったでしょ？
あのとき、“自分で言ってきたから”ってあれ、嘘なの。』
『いっくんにも言ってたでしょ、ってのも嘘。
ほんとにごめん。
ここにいることがばれちゃったら、きっと戻されちゃうから、そーちゃんを探せないから......』
自分のことを知られて引かれる恐怖より、重い嘘をついてしまった。
という事実に泣きそうになる。
まだ泣いてはダメだ。そう思い目に涙をため、溢さないようにしつつ言葉を紡ごうとする。
しかし、思うように言葉は出てこなくて、ごめん...と繰り返し呟く。
至「つまりは、親には連絡は不要なんだよね。実際今は俺がAの保護者みたいなもんだし。
俺からも頼む。Aの家のことについてはここの誰よりも知ってるんだ。Aを、俺を信じて欲しい」
いっくんはそう言うと頭を下げた。
いづみ「なるほど...」
至「…それでも監督サンはAを追い出す？」
いっくんの問いに、
身体がビクッと震えた。
嘘をついてしまったのだ。
両親の許可もなしにここにいるのだ。
迷惑以外のなにものでもない。
仕方ないよね。
......ここをでたらどうしよう。どこにいけばいいのだろう。
と考えていると、ふたたびいづみんが口を開いた。
いづみ「そうですね...」
あぁ、やっぱり。
いづみ「Aちゃんが来てから、寮がとてもきれいだし、私の仕事も手伝ってくれてすごい助かってるんですよ。
こんな素敵なメンバーが減るなんて、私、嫌です」
至「だとさ？A？」
『えっ......？』
東「Aちゃんが今いなくなったら、ここにいる全員落ち込んじゃうよ。全員はいくら僕でも慰めるのが大変だからね」
ふふっ、と東さんは微笑む。
私は、ここにいても、いいのか、……？
『迷惑ばかり、かけるかもよ？』
太一「俺も、迷惑たくさんかけたけど、おいてもらってるんスよ！お互い様ッス！！」
『...私つかえないし......』
密「A、マシュマロたくさんくれる...良い子。」
密がそう言うと、みんな口々に私に対する思いを言ってくれた。
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霞草(プロフ) - にゃんまるさん» はじめまして！コメントありがとうございます！あ、ほんとですか！？すいません、誤字ですwwご指摘ありがとうございます！ (2018年1月4日 14時) (
レス) id: 9d5707087f (このIDを非表示/違反報告)
にゃんまる(プロフ) - こんにちは。こちらの作品読ませてもらってます！とても面白いです！。 大変言いにくいのですが、ポリ袋じゃなくてポチ袋じゃないでしょうか？そういう仕様でしたらすみません。 (2018年1月4日 13時) (レス) id: f67bcd144c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞草 | 作成日時：2017年9月26日 16時
