第25話 ページ29
そーちゃんの名前を呼んだと同時に涙がポロポロと溢れてきた。
『いっ、くん。そーちゃん、いたぁ......』
涙を流したまま、いっくんの方を向くと、そっと抱き締めてくれた。
至「そうだね、いたね。」
『そーちゃん、夢、叶えたみたい』
至「...そうだね」
『私のこと、覚えてるかな......?』
至「壮五のことだ、絶対忘れてないよ」
『そーちゃんに、会いたいよ......』
至「天馬にでも頼んで会いに行こう」
『うん...』
一成たちは“えっ、何々?”“何事!?”みたいな感じで驚いていた。
あとから思うと悪いことしたなーって思うけど、このときはそこまで頭が回らなかった。
至「咲也たち。このことは後でちゃんと説明するから、とりま部屋戻るわ」
咲也「あっ、はい!」
至「夜、みんなを集めといて」
一成「りょーかい☆カントクちゃんにも伝えとくからー!」
至「ナイス、助かるわ
よっ...と」
いっくんは、みんなに部屋に戻ると伝えてから、私を秘め抱きにして、部屋まで運んでくれた。
『いっくん』
「んー?」
部屋に戻ってから、いっくんはゲームをし始め返事も雑になってきた。
しかし、そんないっくんを見て、“あぁ、いつも通りだな”と安心する自分もいる。
『そーちゃんに嫌われてたらどうしよう』
「大丈夫だって、それは俺が保証する」
『出てったの、私が((「A」......。』
考え始めると、どんどんマイナス思考になってしまっていた私に、いっくんはゲームをしていた手を止め、名前を呼び、こちらをまっすぐと見つめてきた。
「マイナス思考になってるの、お前の悪いとこ。
毎回なおせって言ってるじゃん」
『...だって』
「だってじゃない」
『......。』
だって本当に性格なんて変えるの難しいじゃん...
だって、本当にそう思ってたら.....
そこまで考えて、いっくんを見つつ、ムッと口を尖らせる。
「性格を変えろなんて言わない。だけどさ、思ったこと、考えたことを口にすることはできるでしょ?溜め込みすぎると爆発するんだから、適度に発散しなさい。わかった?」
『......わかった。』
「ん、いい子」
それだけ言うと、いっくんは私の頭を撫で始めた。
そして、だんだん心地よくなって眠気に襲われ始め、そのまま寝てしまった。
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霞草(プロフ) - にゃんまるさん» はじめまして!コメントありがとうございます!あ、ほんとですか!?すいません、誤字ですwwご指摘ありがとうございます! (2018年1月4日 14時) (レス) id: 9d5707087f (このIDを非表示/違反報告)
にゃんまる(プロフ) - こんにちは。こちらの作品読ませてもらってます!とても面白いです!。 大変言いにくいのですが、ポリ袋じゃなくてポチ袋じゃないでしょうか?そういう仕様でしたらすみません。 (2018年1月4日 13時) (レス) id: f67bcd144c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霞草 | 作成日時:2017年9月26日 16時