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目が覚めるとポートマフィアの医務室のベッドの上で寝ていた。
「やっと起きたの。」
横を見るといつもの本を持った治が此方を見ていた。
「どのくらい寝とった?」
「それはもうぐっすりと1日程。さあ、行こう。森さんが呼んでる。」
殆ど此方を見ないで、振り返ってそう云う治。
なんか変やなぁ。
「治、機嫌悪い?」
「別に。」
「嘘つけ。」
何で?、と聞きながら動いて治の横を歩く。
「・・・君、僕の事を庇って怪我してたんでしょ?」
「ん?何のこと?」
「とぼけないで。見つかった時、Aの躰には壁から出た鉄の杭が刺さってた。僕が立ってた場所から見て刺さるのは僕だった筈だ。」
「あー、やっぱばれたか。」
残念、と云いながらも歩き続ける。
「ねえ、なんで僕を庇ったの。」
背後から声が聞こえる。
振り返ると、治は立ち止まって此方を見ていた。
「僕があれに刺されば死んでいたのに。」
「さあ、なんでやろな。」
治の手を取って引っ張りながら歩き出す。
「でも何となく、今治が死んだら厭やったんや。」
そう云って少し笑う。
「後、俺は死なんのに治だけ死ぬのはなんか癪に触ったから。」
治は何か云おうとしたのか息を吸う音が聞こえる。
「治、付いたで。首領室や。」
治が何か云う前にそう云って、首領室に入る。
「やあ、A君、太宰君。待っていたよ。」
中に居たのは三人。
森さん基、現首領。中也。そして蘭堂さん。
どうやら森さんは首領モードのようで俺の事を君呼びする。
普段からそうして欲しいけどな。
「あっ!手前は昨日の自 殺願望!」
「はいはい、今日も元気だねぇ。僕なんか、見ての通り大怪我なんだけど。」
そう云う治は、手に石膏帯(ギブス)を付けている。
「昨日会ったばかりなのに仲が良いねえ、君達。」
そう云った首領に治がはぁ?と抗議をする。
其れを気にせず、首領は口を開く。
「さて、昨日の件で中也君と少し話しがしたい。外して貰えるかな、蘭堂君。」
首領(ボス)、其れはおすすめ出来ぬ事。此の小僧は危険です。」
「手は考えてある。それより蘭堂くん。」
蘭堂さんは首領を見る。
「何時もより寒そうだけど、大丈夫?」
「恥を承知で申し上げると、凍えて死にそうでございます。」
「寒い?その格好で?」
疑問そうに云う中也。
下がっていいよ、と首領は言う。
「ではお言葉に甘えて。」
失礼しますと云い頭を下げる。
躰をさすりながら部屋を出て行こうとする蘭堂さんを少し呼び止める。
「また今度、寒く無い処に連れて行ってあげるよ。近々に、ね。またね、蘭堂さん。」

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ゆき(プロフ) - 作者ですっ!微妙に題名?この作品の名前変えます! (2021年9月11日 23時) (レス) id: c2037b5d01 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆき | 作成日時:2021年8月16日 12時

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