道化は〔わらう〕【文スト】〜青の時代編〜 (ページ12)

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「さて、俺の初仕事は部屋を綺麗にすること、か。」
そう云って立ち上がり、ネックレスの石に触れる。
願いは部屋を綺麗にすること。
「異能力『願う者』。」
そう云うと俺の周りに青紫色の文字列が浮かび上がる。
一瞬にして俺の血が消え、綺麗になる。
すると、ネックレスの石が砕け散った。
あ～、だから使用後１時間程は使えないんか。
「ほお、此れは凄い。其れは君の異能力かい？」
「そう、俺の異能力。もう一個異能持ってるけどね。」
「どの様な異能力なのだい？」
秘密、と云いながら座る。
なにか食べるかい、と森さんが聞いたからケーキ、と応える。
少しして森さんが帰ってきた。
森さんの横には金髪の少女が居た。
ああ、エリスちゃんか。
「Aちゃん。此の子はエリスちゃんだ。エリスちゃん、其の子は檀Aちゃんだ。」
「ヨロシクね！A！」
可愛らしい笑顔でエリスちゃんはそう云う。
やっぱり可愛いな。
「此方こそ宜しくね、エリスちゃん。」
笑顔を作り、そう云う。
年上が可愛い。
「A！ケーキを食べましょ！」
「うん、そうやね。」
チョコのケーキを選んで、エリスちゃんの横に座る。
エリスちゃんはショートケーキを選んでいた。
談笑しながら過ごしていると音がして、部屋の扉が開く。
「森さん、楽に死ねる薬無い？」
この声は！
扉の影から出てきたのは太宰治１４歳。
太宰さんの１４歳の姿可愛いんやけど！
推し尊い。最高。好き。
けど、既に２２歳の太宰さんに会ってるから発狂はしなかった。
今はあげないよ、と云った森さんにケチ、と云った太宰さんは此方を見る。
「其の餓鬼、患者？」
「患者と云って良いのでしょうか。一応、さっき其処の森医者に雇われた者です。」
興味なさげに返事が返ってくる。
お前が聞いたんやろ、おい。
太宰さんは辺りを見渡して、手術針を手に取る。
「死ぬのは駄目ですよ。」
「何で。」
「さっき部屋を綺麗にしたばかりですから。死ぬのでしたらどうぞ人に迷惑が掛らない処でご自由に。」
「若しや生きていれば良い事も有る、と綺麗事でも云うと思いました？残念ですね。」
そう云うと少し俺に興味が湧いたのか質問してくる。
「君、名前は？」
「自殺未遂者に教える名前は無いと云いたい処ですが今後も絡むことがありそうですし名乗っておきます。檀Aです。」
一応太宰さんの名前も聞く。
名乗ってもないのに名前知ってたら変やん。
「太宰治。」
「宜しくお願いします。」
そう云ってケーキを一口食べる。