道化は〔わらう〕【文スト】〜青の時代編〜 (ページ11)

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「分かったよ。」
そう云うと棚から救急セットの様な物を出してきて此方へ来る。
消毒が染みるからぎゅっと目を閉じる。
森さんは消毒をしてガーゼを貼り、首に包帯を巻いた。
「はい、もう良いよ。」
あんまり痛く無かったやん。てか森さんって本当に医者やったんか。
「そうそう、自己紹介が未だだったね。」
「私は森鴎外。医者だよ。と云っても闇医者だがね。」
「・・・、俺は檀Aです。」
此れ絶対次歳聞かれるやん。
「歳はいくつかい？」
ほおらやっぱり聞かれた。
「8歳ですけど。」
「よし合格！」
え？
俺の手を握る。
「Aちゃん！私の元で働かないかい！！！」
え、一回断ったよな？
「俺は男ですが？」
「そんな事は無いよ。此の手の感触、肌触り、体型、香り、声、骨格。どれを取っても私の守備範囲だ！」
うへえ、此処まで来ると本格的にキモい。
「気持ち悪いので触らないで、否、近づかないで貰って良いですか。」
「酷い！でもそんな処も可愛いねえ。」
頭を撫でようとしたのか、伸ばしてくる手をパシン、と叩く。
あ、素手で森さんに触れたやん。森さんの異能ゲット。
俺もエリスちゃん呼べるんかな。
「嗚呼、後。」
少し間を置いて口を開く。
「俺、貴方の元で働いても良いですよ。」
このまま森さんに付いて行ったら中也とも会えるやろうし双黒の絡みを間近で見られるやろうし！！
後ずっと何もしんかったら暇やろうしな。
「本当かい！？」
「ええ。」
あ、そうだ、と森さんが何か出してくる。
「なんですか此れは。」
「増血剤だよ。貧血なのだろう？」
「有難うごさいます。」
一緒に出された水で薬を飲む。
「うへぇ・・・。」
相変わらず薬が上手く飲めない。
だって錠剤飲むの苦手なんやもん、仕方無いやん。
「あ、そうだAちゃん。其の敬語、外していいよ。君、敬語に慣れてないでしょう。」
「え気付いてた？まあお言葉に甘えて敬語にするわ。」
「宜しくな、森サン。」