猫被りの病み人間は社畜です【文スト】

＊35 ページ39

玲愛「ん〜あ！Aさん居たぁ！」




そう云って僕の元へと歩いて来、僕の怪我してる方の手を握る




『い"！？』




玲愛「ふぇ？どぉしたの？」




痛みで手を抑える僕を不思議そうに玲愛は見る




『い、いえ……なんでもないですよ』




手を擦り乍ら玲愛に云うと、玲愛はたちまち涙を浮かべる




なんでぇ？？？




玲愛「Aさん……そんなに私に触られて欲しくなかったの……？そんなの、グスッ酷いよぉ……」




鏡花「今度はこの人に何をしたの」




真っ先に気付いた鏡花ちゃんが、僕から玲愛を守るような姿勢で聞いてくる




『……すみません。先程朝日向さんが握った方は、怪我をしている方で痛んでしまい……』




玲愛「私が莫迦力って云うの？そんなの……ひど、いよ……うええええん」




号泣する玲愛にわらわらと集まって来るみんな、そして僕を見る視線




気付くと、じわっと手に巻いている包帯が湿っている感じがした




不思議に思って見ると、血が滲んでいた




あれで出血すんのかよ




手の血を隠すが、それを玲愛が目敏く見つける




玲愛「Aさんの手から血が……そんなに私強く握ってないのに……！」




そしてまた玲愛は泣く




負のループだ




『……与謝野女医、手当を……』




国木田「手当なんて要らんだろう！貴様のそれは自演自作なのだから」




その言葉に目の前が真っ暗になった気がした




自演自作……？




結局僕は頑張っても、信じて貰えないのか




頑張らない玲愛が信じて貰えて、頑張ってる僕は信じて貰えないのか




なんで？なんで？なんで？なんで？なんで？なんで？なんで？




『っ……？？？』




はくはくと息をしようと口を動かすが、空気が上手く取り込めない




あれ……？息ってどうやってするんだ……？

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