猫被りの病み人間は社畜です【文スト】

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『終わっ、た、……』




日は出てない




パソコンを見ると午前3時だった




意外と早く終わったな




まあ絡んで来るやつが居ないからな




でも疲れた




早く帰らないと……




『おっと……』




立ち上がった時にふらっとしたが、気にせず歩き出した




・




『……やっぱり、誰も居ないか』




誰か心配して残ってくれると思っては無かったけどな




自分の事務机に手を着くと、カサッと紙の音がする




なんだ？




月明かりを頼りに紙を見ると、メッセージが書いてあった




えーと……




今日中には終わらせろよなBy国木田




私は悪くないですから！By玲愛




自業自得ですが、頑張って下さいねBy敦




グシャッと握り潰す




見たのが間違いだった……




やっぱクズばっかだわここ




最年少幹部の太宰さんが務めてる会社だから良さそうだなって思ったのに




握り潰した紙を丁寧に屑籠に入れる




今日は月明かりが綺麗だな




僕も、かぐや姫のように連れてってくれないかな




かぐや姫は連れて行かれる事で悲しむけど、僕は逆に連れてってくれないと悲しむよ




そろそろ壊れそう




連れてって欲しくて、思わず手を月に向ける




そんな事をしても誰も僕を引っ張ってくれない




『ハハッ、何莫迦な事してんだよ。本当に救いようの無い莫迦だな』




自嘲気味に笑い、そう云う




そろそろ帰らないとね




重だるい躯を動かす




刹那、世界が揺れた




実際は揺れたのでは無く、僕が立ちくらみを起こしてソファに倒れただけだが




『っあ、や……べぇ……』




倒れ込んだ瞬間、眠気が襲ってくる




そう云えば今日は薬飲んでなかったな




辛うじて手に持っていたタオルを顔にかけると、僕は耐えきれない睡魔に負けた

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