検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:2,446 hit

第四話 ページ7

Side瑠璃川


廊下に一冊の本が落ちていた。
唐突だなおいって感じだけど


しかも微かに動いている…気がするな。まるで両手ですっぽりと包めそうな平たい何かがその本の下にいるような感じだ。


手に取ってみると紙が傷んでいて随分読み込まれているという印象を受ける。開いてみるとびっしりと英単語が並んでいる。六割くらいしか知ってる単語がないし(中身の)意味が分からないが…



裏を見ると名前らしき物が書いてある。

難波 命

同じクラスにそんな名前の子がいた気がすると思い、スマホをだして調べてみると確かに同じ名前の生徒がいた。

この時間帯だと部活中だろうか?

こんなに分厚くて持ち歩くのに苦労しそうな上、内容も難しい英語の本を持っているということはきっと勉強熱心な人なんだろうなぁと思いながらも面識があるわけでも現在地もわからない生徒。

そんなことは明日でもいい筈なのに何故か


「きっと大切な本なんだよな…早めに届けないと。」

小さく今にも消えそうな小声で呟いた途端、左手から黒い絵の具が噴き出した。

「はぁっ?」

意味がわからないよ??ドッキリかな?

その黒は導くかの様に一本の線を描き廊下を這う。


側を通ると透明になり消えていった。
まるで妖怪でもいるようだ、と現実味のないことを考えながらその線を追いかけた。









段々細くなったそれはとある教室の前でピタリと消えた。

『特撮ヒーロー同好会』








*******

「へぇ…まだ出来たばっかりなのにこんなに部員いるんだ、凄いね玉田くん。」

「いえ、ボク以外はYSPクラブっていうクラブとあともう一つ別の同好会の生tひょえっ瑠璃川先輩!?」

「ひょ…?どうかしたの?」

「いやいやいやいつからいたんですか先輩!」

「さっき…あ、もしかして邪魔だったかな?皆何もいないところに向かって喋ってるし、撮影してるとか?」

「そんなことないですけど…」

玉田くんは一瞬驚いたような顔をして、それから何かに納得したように一人で頷いていた。


「ところで難波命さんって人を探してるんだけど知らない?」

第五話→←第三話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (4 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:小鳥遊 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年12月30日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。