１５６話目 ページ24
「今凄いこっちまで申し訳なくなってきてるので頭を上げてくれませんか？」
「あ、ああ…」
なんだろうこの気まずい空気。元凶は目の前にいるけど責める気にもなれないし。
…そうは思っても、一度開いた口は中々閉じれない。
「その、私自身についてはもう事前に聞きましたけど…正直妖怪の価値観？というものがまだ分かっていないんです」
「だからいきなり早くに亡くなっていたけどすぐ蘇生されて云々言われて今から妖怪言われてもまだ受け入れに時間がかかっているんですよ」
「死んだら妖怪になるってのもなんだか変な感じですし、その上その元凶が自分の先祖？おかしいでしょういくらなんでも。しかも竜て…ほぼ爬虫類じゃないですか！蜥蜴ですか！？」
「私はずっと生きてるって、人間だって…そりゃ異質の個性だけど、友達も出来て、ヒーローにって、思って、なのに、そんな」
勝手に一方的に話す内に段々言葉が震え、抑えていた目頭が更に熱くなった…さっきとは違う意味の熱さだけども。
それでも彼は、黙って聞いていた。そもそもの原因だし本当に申し訳ないんだろう。そんな相手にこうもぶちまけていいのか…そんな判断も出来なかった。
「首切られて、目覚めてすぐに、もう死んでる？ははっ、嘘みたい…嘘、嘘であってほしかった、のになあ…でも、そうでなきゃ、おかしかった」
「だって、背、伸びないし、私だけ、何も、なーんにも変わりやしなかった！…しまいには、極妖怪？常識外れな存在までやって来て！」
「全部、個性のせいだって、見知らぬヴィランが、悪さしてるって、思いたかった…でも私はさ、無個性なんだってね？あの力は、個性とは別物だって……緑谷とは違って……」
「結局さ、私、皆に置いてかれたんじゃないんだ。そもそも同じ場所にいなかったんだ。だって、死んだらそこまでじゃない…決して死人は成長しないんだから……うぅ」
そこまで言って勝手に零れ落ちる涙を強引に擦ってようやく口を閉ざす事が出来た。涙は止まらないしえずくような声も未だ漏れ出るが。
そんな状態になろうとも、特に彼からは何もしてこなかった…というかどうすれば分からなかったんだと思う。そりゃまあそうだ。
数分か、はたまたもっとかかったか。やがて、その場で泣き続け座り込みそうになった時、
「あ…え？」
「こんな事態を引き起こしてまでおこがましくも頼みたい事がある…どうか、聞いてくれないだろうか？」
何で、抱き締めた？あれ、これ、身に覚えが、
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小鳥遊(プロフ) - 美都羽さん» コメントありがとうございます！烏滸がましくなんてないですよ。嬉しいです！ (2019年8月6日 21時) (
レス) id: c2ef6956a3 (このIDを非表示/違反報告)
美都羽(プロフ) - 小鳥遊様のこのシリーズがすごく好きです。こんなことを言うのも烏滸がましいですがこれからも頑張ってください (2019年8月6日 21時) (レス) id: a619d2c6e4 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊(プロフ) - 笹さん» レス遅れてすみません。確かに火なら水属性の方が良かったかもしれません。書いた時は気がつきませんでした…遅れながらアドバイスありがとうございます。 (2019年8月5日 1時) (レス) id: c2ef6956a3 (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊(プロフ) - 甘納豆さん» コメントありがとうございます！ずっと更新停止ですみません……そう言っていただけて嬉しいです！頑張ります！ (2019年8月3日 21時) (レス) id: c2ef6956a3 (このIDを非表示/違反報告)
甘納豆(プロフ) - 続き気になります！自分のペースで更新頑張ってください！楽しみに待ってます！！ (2019年8月3日 21時) (レス) id: a4b65807ec (このIDを非表示/違反報告)
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