或る女の怪忌憚【呪術廻戦】 (ページ9)

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或る女と刺客ページ9

「チッ…邪魔しやがって……」

悟はさらに不機嫌になり投げてきた相手に術式を構えようとする

『待って』

流石に帳が降りていない状態で術式を使われるのは危ういのですぐさま悟を止めた

『ここは私がやるから』

そう言って煙管を咥えてフッと息を吐いた

『統蟲術式────雀蜂』

吐いた息が煙に変わり、煙は数本の針と化してビルの上の人影に向かって飛んでいった

「うぐッ？！」

針が刺さった人影は瞬く間にビルから落ちて地面に倒れた

幸いにもビルから落ちた癖にまだ息はあった

私はその人に歩み寄り、しゃがんで言い放つ

『また(・・)私を襲ってきたのね。合いも変わらず懲りない連中だこと………』

「ぐっ………貴様………」

毒に侵され動くことのできないそれは私を強く睨む

『雀蜂の毒は“神経毒”…すぐには死なないけど身体は動かないし時間を掛ければかけるほどじわじわと痛みが増して苦しむことになるわ

そうそうあなたが死ぬ前に聞きたいんだけど、私を殺そうとしているのはどこの誰？またはどこの組織なのかな？呪詛師さん？』

動けないそれ……もとい呪詛師にそう訪ねた

『そろそろいい加減に話して欲しいのだけど？こっちはあなた達と違って忙しいしその中で命を狙われるのも困るのよね？』

「だ、誰が、教えるものかこの化け─────」

グシャッ

呪詛師は言葉を言い切る前に頭部を悟に踏みつぶされて息絶えた

呪詛師が襲ってきたこともあり悟は更に不機嫌になっていた

呪詛師の死体を踏みつけながら悟は言う

「ねぇ、Aこれどういうこと？なんで呪詛師なんかに狙われてるの？」

『知らない…狙われてるのだって最近のことだよ……まぁ、なんとなく理由はつくけどね』

パッパッと服の埃を払い落と立ち上がる

『そうださっきの私が悟の前からいなくなった理由だけど…』

煙管を咥えフッと煙を吐いて私は悟を真っ直ぐ見つめて言った

『単純に飽きたからだよ。五条悟』

そう言い残して足早にその場を逃げ出した