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34話 ページ36

 
「…………え?」


彼女の放った言葉に私は身体が固まった


「……どうして彼女を?」


「太宰さん、西尾Aの異能をご存知ですか?」


「えぇ」


「彼女の異能が逃げ出したことその異能は"怪異"と呼ばれていることも」


「えぇ知っていますよ」


そう云うと彼女は少し安堵した表情をした


「良かった太宰さんが知識卓越なお陰である程度の説明は省けそうですね。
貴方がご存知の通り西尾Aの異能は彼女から逃げ出してしまった……そして彼女はそれを取り戻そうと奮闘している……ですがそれが問題なんですよ」


「問題?」


「えぇ……西尾Aは異能であった怪異(・・・・・・・・)を取り戻してはいけなかった」


「異能であった……?」


彼女の言葉に耳を疑う


「西尾Aは元から異能者ではなかったんです。彼女の異能は無理矢理つけられたものなんですよ」


そう彼女は坦々と云った


「それもつけられた異能は人工的に作られたものではなく本当に(・・・)実際に(・・・)現実にある(・・・・・)"怪異"と云う化物なんですよ」


現実にいる怪異と云う化物………


それが彼女の異能だったものであり彼女の感情であったもの


否、化物が彼女の感情を奪い取って行ったという方が近いか


「現在、彼女は怪異を取り戻し身の内に取り込んでいる……
"怪異"を取り込むと云うことは身の内に化物を住まわせるということ彼女はもう何体もの"怪異"を取り込んでいる………彼女はもう人間ではありません。怪異に近い存在だから────」


「だから私に殺せってことだね?」


言葉を遮って云うと彼女は黙った


「"怪異"はAの異能であったから私の"人間失格"で消すことができるそう云うことだね?」


「えぇ、貴方の異能で彼女を──怪異:西尾Aを消してほしいんです」


そう云って彼女はにやりと笑う


「私の異能はあらゆる異能力を無効化することAを消すことはできないよ」


「いえ、彼女はもうほぼ怪異と云っても過言ではありません。なので貴方の異能を使えば彼女ごと消えるでしょう」


「…………なんだって…?!」


私が触れればAが消える…………?!

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aoihosi1016(プロフ) - 中也endも読みたいです!楽しみにしています!! (2020年4月6日 2時) (レス) id: e749c9c1e6 (このIDを非表示/違反報告)
るる - 頑張って下さい!更新待ってます! (2020年3月18日 8時) (レス) id: 8ab0d0e315 (このIDを非表示/違反報告)
綾津 - 文ストも物語シリーズも好きなので、この作品が大好きです!更新楽しみにしてます! (2019年8月25日 17時) (レス) id: 3cda621b77 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪燐 | 作成日時:2019年7月30日 13時

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