30話 ページ32
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監 禁部屋からついに逃げ出した私は中也の元に転がり込んだ
流石ポートマフィアの五大幹部、広い部屋を持っている
中也から空き部屋を貰い、私は其処で悠々と過ごしている
ただ居させてもらうだけなのもなんだか申し訳ないのでたまに中也の仕事を手伝ったりした
中也の家に転がり込んでから暫くして私はポートマフィア首領 森鴎外に呼び出された
「やぁ、西尾くん調子はどうだい?」
『中也のお陰で快適な生活を送ってますよ』
そう私は飄々として云った
彼とは太宰くんと出逢った頃に顔見知りになった
中也と共にポートマフィアへの勧誘を受けたが怪異を探す為に断った
今回呼び出したのも勧誘だろう……
「今日君を呼び出したのは他でもない。もう感づいていると思うが西尾くん…ポートマフィアに入らないかい?」
森鴎外はそう云った
『生憎私は縛られるのが嫌いなのでね、悪いけどその申し出は断わらせていただきます』
「君に特にこれと云った制限を設けることは無い。今まで通り好きにやっても構わないよ?」
『それはそれは随分と手厚い待遇ですね。もし私がポートマフィアの機密情報を手に入れて雲隠れでもしてしまったらどうするんですか?』
「うむ……それは困ったね」
うーんと唸るポートマフィア首領
「君がそこまで頑なに入りたくないというのなら此方も無理強いはしない……そうなるとポートマフィアではない君にこれを教えることは出来ないなぁ……」
そう云って掲げたのは何かの資料だった
『それは……?』
「君の異能…【化物語】に関する情報だよ」
『ッ………?!』
私の異能についてだと……?!
現れ出てきた情報に私は目を奪われた
『……何故貴方がそれを?』
「最近我々に歯向かう組織が出て来てねそれを調べさせていたときに君の異能に関する情報が出てきたんだよ」
怪異の情報が出てきただって……?
にわかに信じ難い話だ
『んで、その異能の情報を知りたければポートマフィアに入れってことか…』
「さぁ、どうする?」
にやりと笑う森鴎外に対して小さく舌打ちをした
組織なんて面倒くさいから入りたくない
けど、目の前には怪異に関する情報
未だに新しい怪異を捕まえてない
そんなときにやってきた怪異の情報は私にとって喉から手が出る代物だ
もし、この情報を逃したら怪異を見つけるのが更に遅くなるかもしれない
仕方ないか……
『いいよ。貴方の傘下に入ってあげようじゃないか』
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aoihosi1016(プロフ) - 中也endも読みたいです!楽しみにしています!! (2020年4月6日 2時) (レス) id: e749c9c1e6 (このIDを非表示/違反報告)
るる - 頑張って下さい!更新待ってます! (2020年3月18日 8時) (レス) id: 8ab0d0e315 (このIDを非表示/違反報告)
綾津 - 文ストも物語シリーズも好きなので、この作品が大好きです!更新楽しみにしてます! (2019年8月25日 17時) (レス) id: 3cda621b77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪燐 | 作成日時:2019年7月30日 13時