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11話 ページ13

『今し方目が覚めたところだよ。処で此処は太宰くんの部屋かい?それにしては、随分と殺風景で窓が無い(・・・・)部屋だね』


私は彼に向かってそう云った


私と彼がいるこの部屋には大きなベッドと鏡、それから机が一つあるだけという何とも殺風景過ぎる部屋だったのだ


時計も窓も無いので今が昼なのか夜なのか分からなくなる


皮肉を交えた私の言葉に彼はこう答えた


「此処は君と私の部屋だよ」


その言葉に私は言葉を失ってしまった


正気の顔で云う彼を見て私が今どういう状況にあるのか理解できた



私は─────監 禁されたのだ



何故私が監 禁されたとか思い当たる節がいくつかあった


一番の原因と云えば4年前のことだろう



彼の告白を断ったことだ



あの時の私は彼の言葉に応えることができなかった
 


……まぁ、4年経った今でも応えることはできないけどね




監 禁されているということは彼は此処から私を出すつもりは無いだろう



まぁ………それでも別にいいか……


『驚いた。真逆この部屋が私と太宰くんの部屋だなんてね』



私はベッドの端に座り、鼻で笑いながらそう云った


「少しシンプル過ぎたかな?」


『否、私としてはこれぐらいが丁度良いよ。後は窓があれば最高だったんだけどねー……』


「窓を付けてしまったら君は其処から逃げてしまうだろう?」


そう云う彼に私はカカッと笑いが溢れた


『確かに太宰くんの云う通り、窓があったら逃げ出しているね。でも、安心しな暫く私はヨコハマから出ることは無いから今すぐ此処から出て行ったり(・・・・・・・・・・)はしないよ』


「………………………」

私の言葉に彼は何も答えなかった


沈黙が続くと私の腹が鳴った


空気を読まない私の腹の音に彼はクスリと笑う



「何かご飯でも持ってくるよ」
 

そう云い残すと彼は部屋から出て行った

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aoihosi1016(プロフ) - 中也endも読みたいです!楽しみにしています!! (2020年4月6日 2時) (レス) id: e749c9c1e6 (このIDを非表示/違反報告)
るる - 頑張って下さい!更新待ってます! (2020年3月18日 8時) (レス) id: 8ab0d0e315 (このIDを非表示/違反報告)
綾津 - 文ストも物語シリーズも好きなので、この作品が大好きです!更新楽しみにしてます! (2019年8月25日 17時) (レス) id: 3cda621b77 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪燐 | 作成日時:2019年7月30日 13時

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