22話 ページ24
「随分と遅かったね」
そう云う太宰くんに私は背筋が寒くなった
彼が探偵社と云う光の世界に入ったからてっきり変わったのかと思ったのだが、彼の本質はマフィアの頃と変わっていないようだ
今彼が私に向ける笑顔はマフィアにいた太宰くんその者だった
「こんな夜遅くに一体何処に行ってたんだい?」
『別に?只の散歩だよ。ここには窓が無いから空気の入れ替えもない。ずっと居たら窒息してしまうからちょっと外に出ていたんだ』
と中也と逢ったことを伏せて云った
中也と逢っていたなんて話したら何されるか分からないからね
「へーそうなんだ……」
そう云って太宰くんはふらりと立ち上がる
「私に内緒で外に出るなんてAは悪い子だね……
しかも、中也と逢引してただなんて」
その言葉を聞いて私は全身が逆立った
やっぱり、監視はされてたのか…もうこれ以上ここに居たらやばいかも……
危険を感じた私は逃げ出そうと背中にある扉に手をかけた
しかし
「逃げるな」
後ろから耳元に低い声が響く
気がつけば私は扉と太宰くんに挟まれた状態になった
「ねぇA、私かいるのにどうして中也の方に行っちゃうの?君はいつもそうだ。私の方が君を好きなのに君は私を見てくれない」
『…………別に太宰くんが思っているようなものを私は中也に対して持ち合わせていないよ。勿論、太宰くんにもね』
表情を変えず淡々と云った
『私の答えは4年前と変わらないよ。私は太宰くんと一緒にはいられない』
「どうしてだい?」
『それは…………』
「自分も怪異のような者だから人を好きにはなれないってことでしょ?けど、そんなのはどうでもい。君が怪異であろうが人間であろうがどちらでもいい
只………君が欲しいだけなんだ」
そう云うと彼は私を無理やり振り向かせ
そして
接吻をした
『……ッ!んー!!んー!!』
突然の出来事に抵抗しようとすると太宰くんは肩を強く掴み動けないようにさせた
口づけられたものは段々と強くなっていく
中也のとは違う荒くて押し付けるような接吻
長い接吻に息が持たず、口を開けると
にゅるり……
口の中に生暖かいものが侵入してきた
『んぁ………あぅ……』
なにこれ……気持ち悪い!!!
必死に抵抗するが、男女の力の違いは歴然だ
抵抗もできず、私は太宰くんのされるがままになった
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aoihosi1016(プロフ) - 中也endも読みたいです!楽しみにしています!! (2020年4月6日 2時) (レス) id: e749c9c1e6 (このIDを非表示/違反報告)
るる - 頑張って下さい!更新待ってます! (2020年3月18日 8時) (レス) id: 8ab0d0e315 (このIDを非表示/違反報告)
綾津 - 文ストも物語シリーズも好きなので、この作品が大好きです!更新楽しみにしてます! (2019年8月25日 17時) (レス) id: 3cda621b77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪燐 | 作成日時:2019年7月30日 13時