コソコソ動く時ほど見つかりやすい ページ46
「えり、総悟見なかったか?」
『総悟なら非番なので女子格闘技みにいくって言ってました。』
「あいつ今日非番だったか」
『なので帰ってくるのは夕方過ぎると思います。』
「わかった。
それとえり、ちょうどお前が武州に来た頃ぐらいの時勢の事件とか集めたファイルが見つかったから後で見とけよ。鍵置いとくぞ。」
『ありがとうございます。土方さん』
土方が去っていくのを確認するとホッと息を吐いて咄嗟に隠した総悟とココ最近、2人してやっている煉獄関に関する情報をまとめたメモ帳を取りだして、鍵を持って真選組資料庫へ行くと、持ち出し禁止の資料を取り出し、沖田が見ていたところまで挟んでいたしおりをとり、再び写し出した。
『……(……やっぱり表向きには出てないからあんまり掴めないな……これ以上探ったら近藤さんが何か言われそう…それだけは防がないと…。)』
「おい」
『っえっ、わ、土方さん』
音もなく後ろにたっている土方にえりはびくっとしてサッと栞を閉じ、棚に戻すと読んでいたものを隠すようにして土方の方を向いた。
「さっき言ったファイルそれじゃねーぞ」
『あ、え……あ、はは、間違えちゃったみたいです。』
「えり。総悟と何ちょこまかとなにかしてんだよ。」
『いや、気の所為だと…』
「えり」
『…あー…えっと、(総悟……ごめん…見つかった。)』
「…お前まで絡んでたのか」
『……?』
「………煉獄関、」
『!!』
「…悪いことは言わねぇ、えり。おまえは手を引け。そのメモも預かる。」
『っけど』
「真選組に3人以上も関わってるって知られたら、ここがどうなるか、えりもわかんだろ」
『…………だとしても、これは総悟に渡します。総悟が途中まで集めてたものなので。』
えりはそう言って胸ポケットにメモをしまうと、土方はため息をついて倉庫から出るよう言った。
どうやら泳がされていたらしく、それがわかったえりは少し不服だったがバレたからには大人しくする以外なかった。
「つーことで、総悟の馬鹿を迎えに行くぞ。」
『どこにいるか検討は着いてるんですか?』
「ああ」
土方とえりは屯所から出ると、煉獄関近くの裏路地へと向かった。
「バレちまったんですかぃ」
『ごめん、総悟…これ、メモ。』
「俺の方こそすまねぇ。そもそもは俺がえり巻き込んじまったからでさぁ。つーか土方さえ黙ってれば」
「聞こえてるからな」
裏路地で総悟をみつけ、屯所に戻りながらえりと沖田は土方の後ろでコソコソとそんな会話をしていた。
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作者名:Tyina | 作成日時:2022年5月29日 23時