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が、
「ぬァァァ!!」
すぐにパトカーのフロントに飛び乗ってそのままそよ姫と共に屋根の上へと飛び上がって行った。
「姫を抱えて屋根に飛び上がりやがったぞ!!」
「何者だあいつ!!」
「……ありゃ、万事屋のとこのチャイナ娘じゃないか?何故姫と……」
「さァ」
沖田はさぞ興味がなさそうにランチャーを構えようとしており、ぎょっとしたように近藤が止めに入った。
「ちょっとォ!!総悟くん!!なにやってんの物騒なモン出して!!」
「あの娘には花見の時の借りがあるんで」
『え、総悟、まだ根に持ってたの……?』
「あったりまえでぃ。」
「待てっ!!姫に当たったらどーするつもりだ!!」
「そんなヘマはしねーや。俺は昔、スナイパーと言うあだ名で呼ばれていたらいいのになぁ…」
「おいいいいいい!!ただの願望じゃねーか!!」
「夢を掴んだやつより、夢を追ってる奴の方が時に力を発揮するもんでさぁ」
それでもランチャーを下ろさずにいる沖田にえりは土方の隣から沖田の方へと歩み寄った。
『総悟、約束したばっかりだよ。一般市民を巻き込むことはしないって。』
「……あのチャイナのどこが一般人なんでさぁ」
『神楽ちゃんは立派な一般人だよ。たまたま不運が積み重なって巻き込まれてるだけで』
「だとしたらとんでもねー不幸体質じゃねーか」
ぼそっと近藤がそうつぶやき周りの隊士達もめっちゃ頷いていた。
『それに、姫様に怪我させたらほんとにそれこそ総悟と仕事ができなくなっちゃう。』
「………」
『……総悟』
「…分かりやした。」
えりがそういうと、総悟は無言になりランチャーをようやく下ろした。
「「「「「(グッジョブ!!!!!松田隊長/えり!!!!!!)」」」」」
「チャイナ娘!!出てこい!!お前がどうやってそよ姫と知り合ったかは知らんが、その御方はこの国の大切な人だ!!これ以上俺たちの邪魔をするならお前もしょっぴくぞ!!
聞いてるか!!」
『……土方さん、私、上に行ってみますね。』
「ああ」
えりは助走をつけ、近くの比較的低い屋根へと、パトカーの屋根を使って飛び上がると、そのままそよ姫と神楽が隠れている所へ向かって屋根をつたいながら向かった。
トンっと屋上に着くと、ちょうどそよ姫が神楽と何か話をしているところで、えりは静かにそれを聞いていた。
「ほんとにありがとうございました。女王さん。
たった半日だったけれど、普通の女の子になれたみたいでとても楽しかった」
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作者名:Tyina | 作成日時:2022年5月29日 23時