安倍晴明の血を引き継ぐ者

自分のために ページ8

「今どういう状況?」
『恵!!』
「なっ!?五条先生!!A!!どうしてここに!?」

五条と屋上に降り立ったAはボロボロの伏黒を見て驚き、そばに駆け寄った。

「や、来る気無かったんだけどさ。

うわー、ボロボロだね……2年のみんなに見せよー。」(ｶｼｬｶｼｬｶｼｬ)
「ﾁ……」
『恵、大丈夫……じゃないよね…』
「……ありがとな。」

Aは持っていたハンカチを伏黒の傷口に当てているとキョトンとしている少年、虎杖悠仁と目が合った。

「さすがに特級呪物が行方不明となると上が五月蝿くてね。Aと観光がてらはせ参じたってわけ。で、見つかった？」

「あのー……」
「ん?」
「ごめん、俺それ食べちゃった」


「…………マジ?」
『(ﾎﾟｶｰﾝ)』
「「マジ。」」

五条は虎杖に近ずいて至近距離で見ていると後ろで恵の傷口にハンカチを当てたままのAが異様な呪力を感じとり警戒態勢になった。

「んー…
……ははっ。ほんとだまじってるよ。」
『……』
「A、なにか感じる?」
『……気持ち悪いくらいの呪力を感じました。』
「やっぱりねぇー。宿儺と変われるかい?」
「すくな?」
「君が食った呪いだよ。」
「あぁ、うん、多分できるけど。」

そういうと、五条はぐぐぐ…とストレッチをしていた。

「じゃあ10秒だ。10秒たったら戻っておいで。」
「でも…」
「大丈夫。僕最強だから。」

「恵、これ持ってて。」

そう言って五条は伏黒に先程の喜久福を投げた。

「これは?」
『あ、さっきの……』
「喜久水庵、喜久福。仙台名物ちょー上手い!僕のおすすめはずんだ生クリーム味。」
「(この人土産買ってからきやがった!人が死にかけてる時に!!)」
「土産じゃないよ。

僕が帰りの新幹線で食べるんだ。あと、Aの事ちゃんと守って」
「後ろ!!」

伏黒は咄嗟にAのことを後ろに庇うように隠した。

『…!!』
「A、後ろにいろ。」
『うん。』

Aを後ろに隠すと、できるだけAを五条と虎杖…基、両面宿儺に近ずけさせないようにしていた。

「生徒の前なんでね、カッコつけさせてもらうよ。」

五条は素早い動きで宿儺を殴り飛ばした。

「(おそろしく速い？違うな。)

まったくいつの時代でもやっかいなものだな。
呪術師は!!」

そう言って宿儺は地面をえぐるように校舎を壊した。

「だからどうという話でもないが。


!!!」

砂埃が晴れると、反対側に五条と伏黒、Aが先程と変わらない姿で生きていた。

「7、8、9、そろそろかな。」

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