新たな呪具 ☆ ページ44
『新しい呪具……ですか?』
交流会に向けて、真希達がひたすら練習していた休憩時間、皆の様子を見ながら小刀の手入れをしていたAを見た真希にそう提案された。
「あぁ。その小刀。聞いた話によると、特訓をし始めた当初からずっと使ってるらしいじゃねえか。」
『5歳ぐらいからです。お父様に守護用って渡されました。』
「それが問題なんだよ。
いくら刃こぼれしてなかったり、修理出したりするとはいえ、それはあくまで守護用だろ?
なんで普段からの攻撃に使ってんだよ。」
『守護用で攻撃した方が…』
「守・護・用・だっ・て・言っ・た・だ・ろ!
ってことで戦闘用の刀を探してこい。高専に置いてあるやつ使ってもいいけど、安倍川家の呪物保管倉庫にも置いてあんだろ?見てこいよ。」
『そう言われてきてみたものの……これといった物がない…。』
次の日の朝一に、高専の倉庫に足を踏み入れ刀を探すも、自分に合うものが見つからず、耀哉に許可を貰い安倍川家の呪物保管倉庫に向かった。
(伏黒は交流戦に向けての練習があるため不在。
ギリギリまで渋っていた。)
『……ん?』
棚の小さなスペースに忘れられたように古びた箱が置いてあったのを見つけた。
Aはそれに手を伸ばして箱を取り、表面についている埃を軽く払った。
『(結構重い……中身は……?)』
「A、なにか見つかったかい?」
『お父様、これ……』
Aの様子を見に倉庫に立ち寄った耀哉にAは箱を見せた。
「おや、それは……」
『中身はまだ見てません。お父様、これは一体……』
「開けてご覧。」
箱に結んである紐を取り、蓋をとった。
『!! 刀、ですか?』
「長さ的に言うと脇差だけどね。」
手に取って見てみると重さの割に持ちやすく、1度外に出て試しに何度か振ってみていると自分によくあっているのか小刀よりも扱いやすかった。
「呪具"桜林"。紫苑の実家のものだったけど、紫苑がこちらに嫁ぐときに譲り受けた呪具だよ。」
『桜林……』
しげしげと桜林を見ると、桜の模様が所々に描かれており、Aは細かな桜細工に目を奪われていた。
『綺麗…』
「使いこなせそう?」
『はい。』
「なら良かった。それじゃあ、それはAに渡すよ。」
『!! いいの?』
「うん。少し複雑なことがあってそれを扱える人は少ないからね。詳しい事は真希に聞いてみるといいよ。彼女の方が詳しいからね。」
『ありがとうございます!』
少し気になることがあったも、Aは素直に頭を下げた。
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星空(プロフ) - Tyinaさん» やっぱりですか!そうですよね、鏡花ちゃんと夜叉白雪良いですよね(紅葉姐さんの金色夜叉も素敵です) (2021年5月30日 23時) (レス) id: ad3ae7d03c (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - 星空さん» あ、わかっちゃいました笑、私、鏡花ちゃんの夜叉白雪がめちゃくちゃ好きで、人型の術式=夜叉白雪、みたいなところがありまして笑 (2021年5月30日 23時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)
星空(プロフ) - 夢主の術式の夜叉白雪、、、文ストを思い出しました笑(そういうつもりは無かったら申し訳ないです…) (2021年5月27日 18時) (レス) id: ad3ae7d03c (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます!!こちらのミスで非表示になってました! (2021年4月29日 11時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - さきんちょさん» 喜んでいただけて幸いです!もう少しあとの予定にはなりますが過去編を作る時、耀哉様を今よりも出す予定なので、待っててください! (2021年4月29日 11時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Tyina | 作成日時:2021年3月27日 20時