安倍晴明の血を引き継ぐ者

番外編 ページ43

『うん。じゃあ、高専の入口迎えに行くね。』
「? 誰だ?」
『美々子と菜々子。もうすぐ高専着くみたい。』

釘崎と虎杖が正式に高専に入って少したったとある休日。
珍しくお互いの任務がなく、のんびりと本を読んで過していた時、Aのスマホが鳴った。

電話の内容を聞くと、Aの専属従者の美々子と菜々子が高専に来るということだった。

「そういえば、今日だったな。特訓しに来んの。」
『恵も迎えに行く?』
「……ん。」

Aの隣に座っていた伏黒は立ち上がり、手を繋いで部屋から出た。

とある事情で高専に入学しなかった美々子達だが、専属従者になるならば呪術を使えこなせた方がいいと、耀哉達から言われ2人はこうして学校がない休日に高専に足を運んで、特訓をしていた。

部屋を出て寮の入口に出た時、五条に呼び出されていた釘崎と虎杖と遭遇した。

「安倍川、伏黒、どっか行くの?」
『美々子と菜々子を迎えに校門まで。』
「美々子、菜々子?」
「お前らまだ会ったことないからな。
Aの専属従者。普段は女子高に通ってるけど休みの日とかはたまに高専来て特訓してる。」
『2人も来る?2人のこと、紹介したいと思ったんだけど…。』
「俺は別に構わないぜ。」
「私も。この後特にやることないし。」
『じゃあ、決まりだね。行こう。』

1年生4人が連れ立って歩いて、高専の校門に向かった。

校門の所に、夏油と似たようなジャージを着ている少女2人ー美々子と菜々子がこちらに気づき手を振った。

「あ、来たー!」
「Aー!恵、」
「「!!」」

虎杖が美々子達の視界に入った瞬間、美々子達の顔が引き攣り、咄嗟にAを美々子と菜々子が庇うように引き寄せ、攻撃の構えをしていた。

『美々子、菜々子、大丈夫だよ。』
「ッでも!!」
「夏油先生から聞いてるだろ。こいつが宿儺の器だよ。」

突然、警戒され驚いた虎杖と釘崎は納得したように頷いた。

「(いきなり宿儺の器が主の近くにいたら、まぁそうなるわ。)」
「…ごめんなさい。話は聞いてたのに…。
私は夏油美々子。」
「夏油菜々子。」
「2人は双子?」
「そうだよ。」

美々子と菜々子が自己紹介をするとそれにならい虎杖と釘崎も自己紹介をした。

「(ｺｿｯ)ねえ、野薔薇ちゃん。」
「野薔薇ちゃんはオシャレとか好き?」
「もっちろん!!」
「(ﾊﾟｱ!)なら今度一緒に出かけよ!」
「それならAも連れていこうよ!菜々子!」
『私も?』
「当たり前よ!」

ｷｬｯｷｬと女子組は盛り上がっていた。

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