安倍晴明の血を引き継ぐ者

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1階におり、裏から抜けると駐車場にたどり着き、伊地知の車の前で夏油がたっているのを見てそこに駆け寄った。

『伊地知さん、夏油先生。』
「Aさん、灰原さんは?」
『虎杖君と一緒に特級呪霊討伐を進めています。』
「君は?」
「吉野順平です。」
「……もしかして、伊地知の報告にいた子かい?」
「あ、はい。」
「とりあえず、私は七海と悠仁の所に行ってくるよ。Aもここに待機。」
『え、』
「Aはまだ1級。今回は未知の特級呪霊が相手だ。まだ細かい詳細が分からないのに戦うのはとても危険だよ。行くついでに悠仁もここにこさせる。」
『……わかりました。』

夏油が走っていくと、伊地知の電話がなりすぐに伊地知が電話を取り、誰かと話し出した。

「はい、はい。わかりました。え、今ですか?わかりました。

吉野君。」
「な、なんですか?」
「よく聞いてください。

あなたのお母さんは生きていますよ。」
「!?
でも、昨日帰った時には血塗れで!!」
「運のいいことにたまたま反転術式を使える呪術師が現場近くにいまして……意識は戻っていないものの、現在はこの近くの病院で入院していますよ。」
「…ｯよかった……!!」

安心したのか吉野はボロボロと泣き出した。

「Aさん、電話を……」
『?
……お電話変わりました。安倍川Aです。』
「A、」
『!、お母様!?どうして…!!』
「昨夜、この近くの旅館に用があったのです。そうしたら近くから呪霊の気配がしたので向かったら」
『……もしかして、吉野さんのお母さんを治したのは、お母様?』
「そうですよ。」
『今はどこにいますか?まだ』
「既に屋敷に戻るために車に乗っています。」

しばらく話していたが、伊地知の携帯ということもあり、電話をきることにした。

「伊地知君に渡して。またね。A。」
『はい、お母様。また。』

伊地知に携帯を返すと、ちょうど美咲が駐車場につきた。
その直後、ボロボロの虎杖、七海、灰原が戻ってきて、夏油は誰かと連絡をしていた。

虎杖は吉野に駆け寄り、何かをお互い話していた。

「うん、そのつもり。じゃあ、また後日。(ﾋﾟｯ)
A、灰原、先に高専に戻ってこの事を手短に報告書にまとめて欲しいんだけど……いいかい?」
「わかりました!!」

Aと灰原は高専に戻るために美咲の車に乗り込んだ。

『あ、虎杖君。』
「何ー?」
『……交流戦、頑張ろうね!』
「おう!!」

虎杖と吉野が伊地知の車に乗りこんだのを見届けると美咲の車は動き出した。

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