プロローグ ページ3
伏黒 side-
初めて、あいつと……Aとあったのは…
突然居なくなったクソ親父が戻ってきて数ヶ月がすぎた頃、
今から12年前だった。
あの日、いきなり高そうな車が家の前に止まり、親父が俺と津美紀を連れていくとお袋に行って車に乗り込んだ。どこに行くのかわからず警戒しているといつの間にか大きな御屋敷に着いていた。
着いた途端、クソ親父が今まで見た事ないほど真面目な顔をして、「耀哉様にしっかり挨拶しろよ」といった。
屋敷に入って、クソ親父と津美紀とともに廊下を歩いていると、向こう側から穏やかな笑みを浮かべ、高そうな着物を着つけている人ー耀哉様がやってきて俺たちの前で立ち止まった。
「よく来てくれたね。恵、津美紀。」
「……こんにちは。」
「こんにちは…」
「わざわざごめんね。警戒しなくて大丈夫だよ。ここは呪力があるかないかで差別する人はいないから。」
わざわざしゃがみこんで、津美紀と俺の頭を優しく撫でていた。すごく優しそうな笑顔と声ですぐに耀哉様に懐いた。
その後、その後ろから女の人ー紫苑様に連れられ同い年ぐらいの子ーAと目が合った。
「!!」
『っ…』
「恵、津美紀。君たちにお願いがあってね。
この子の、私の娘と友達になってあげて欲しい。……A、甚爾の子供たちだよ。」
『……A……です…』
その後、子供同士でいた方がいいと従者の人に部屋に連れて行かれ、津美紀と俺とAで遊んでいた。
「すごいね、またAちゃんが1位だよ。」
『………』
初めてあったAはなかなか笑顔にはならず、困ったような、戸惑ったようなそんな顔をしていた。
「津美紀、耀哉様がこいって。」
「はーい。」
親父が津美紀を連れて部屋から出ていくと話の話題がなくなり、気がついたら俺はこの前覚えたばかりの玉犬を出していた。
「……ぎょくけん」
『!!』
「ワフッ!!」
驚いたような表情になり、玉犬を凝視していた。
『……めぐみくんも…みえるの?』
「うん」
『……めぐみくん達は、どこからきたの?』
小さな声でどこから来たのかと聞かれ、それに応えると、みるみるうちに怯えたような表情をうかべた。
『……そと、こわくないの?』
「……?」
『………まえに、こっそり、おそといったらおそとはコワいものばっかりだった……』
「……こわくないよ。」
『…ほんと?』
「うん。」
Aは涙が浮かんだ目をこちらに向けそう聞いた。
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星空(プロフ) - Tyinaさん» やっぱりですか!そうですよね、鏡花ちゃんと夜叉白雪良いですよね(紅葉姐さんの金色夜叉も素敵です) (2021年5月30日 23時) (レス) id: ad3ae7d03c (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - 星空さん» あ、わかっちゃいました笑、私、鏡花ちゃんの夜叉白雪がめちゃくちゃ好きで、人型の術式=夜叉白雪、みたいなところがありまして笑 (2021年5月30日 23時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)
星空(プロフ) - 夢主の術式の夜叉白雪、、、文ストを思い出しました笑(そういうつもりは無かったら申し訳ないです…) (2021年5月27日 18時) (レス) id: ad3ae7d03c (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます!!こちらのミスで非表示になってました! (2021年4月29日 11時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)
Tyina(プロフ) - さきんちょさん» 喜んでいただけて幸いです!もう少しあとの予定にはなりますが過去編を作る時、耀哉様を今よりも出す予定なので、待っててください! (2021年4月29日 11時) (レス) id: 7eae784acc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Tyina | 作成日時:2021年3月27日 20時